GLAY

SPECIAL SELECTION

GLAY

新しい時代へGLAYが掲げる大きなテーマ、『ONE LOVE』。
ハードなナンバーを中心としたスピード感溢れる流れの中に託された、思いと願い。
重い扉を開き続ける彼らの「今」がストレートに表れた1枚。

(初出『Groovin'』2001年11月25日号)

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 2年前の「GLAY EXPO 99' "SURVIVAL "」の後に発表された前作『HEAVY GAUGE』は、それまでのGLAYの音楽のイメージを覆したアルバムだった。1曲目のタイトル曲「HEAVY GAUGE」のギターの唸りには「今までとはまた違った、厳しいこれから」が明示されていた。「大きな記録を残した」という自信に満ち溢れた作品では決して無かった。ずっと目指していたことに辿り着いた時、彼らはそこに何を見たのか。やっとの思いで開けた扉の向こうにあったのはもっと重い扉だった。しかし、そんな虚脱感から作り出されたアルバムは強いメッセージ性を持った大きな意味のある1枚だった。だからこそ、21世紀最初の今年、「夏の大きなEXPOを終えた後」という2年前と同じ状況でGLAYが発表するアルバムに対して、私も大きな期待を持たずにはいられなかった。
 そして「今の時代に掲げていきたいテーマ」として『ONE LOVE』と名付けられた今作には、彼らの決意がうかがえた。『HEAVY GAUGE』を発表した後から彼らが感じてきたこと。東京・北海道・福岡で行われたこの夏のEXPOにおいて彼らが新たに得たもの。そこで我々が受け取った彼らの思い。そしてここ何ヶ月かの短い間に起きてしまった、世界を巻き込んだ悲しい出来事に対する憤りと、そのために出来ることは何かという課題。
 全体的にスピード感に溢れ、ハードなナンバーを中心とした18曲が一気に駆け抜ける爽快感。シングルやCM曲はもちろん、昨年のツアーの中で発表され、成長してきた曲も含まれることで、全体としてすんなりと耳になじむ。新しい試行の中から生まれてきた曲たちはそれぞれに強い意志を持ち、1枚のアルバムとしての完成度の高さは前作以上ではないだろうか。レコーディングにおいても、前作同様、気心の知れたミキサー陣との信頼関係の中で作り上げられたという今作は、新たなサウンド作りやアレンジなど、あらゆる試みを通して、より人間的な温もりの伝わる作品に仕上がった。
 GLAYというバンドは、面白いくらい4人の個性がはっきりわかれていて、それが音楽にも反映されている。GLAYの楽曲のほとんどはGUITARのTAKUROが手がけているが、常にあらゆるものを全身で吸収し、成長していこうとする彼の姿勢がそのまま曲に表現され、それがGLAYのスタンダードになっている。VOCALのTERUが作る音楽には、彼の得意とするARTにも通じる純粋な発想がストレートに表現されているし、BASSのJIROの曲にはPOPなナンバーが多く、ある意味一番我々に近い感覚でわかりやすい。そしてGUITARのHISASHIのデジタルな回路から生み出される音と鋭い洞察力が、常に予想を裏切り続ける。そんなJIRO、HISASHI作の楽曲が、今回2曲ずつ含まれており、それぞれの王道をベースとしながらも新たな一面を見せつけた。これは今後GLAYの音楽がどんな変化を遂げ、どのように進んでいくか、その課程における大切な鍵にもなったはずだ。
 ずっと持ち続けていた今回のアルバムに対しての大きな期待に、彼らは応えてくれた。新しい100年の幕開けは、悲しい出来事で始まってしまったが、そんな今だからこそ、このアルバムへ託された1つの大きな願いが、1人でも多くの人に届き、これからやってくる未来が少しでも穏やかなものになってくれれば幸いだ。

Text by 二宮万里(編集部)

『ONE LOVE』
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CD
UNLIMITED RECORDS/mustard
PCCU-00011
¥2,913(税抜)
11月28日発売

「今の時代に掲げていきたいテーマ」としてGLAYから届けられた『ONE LOVE』。スピード感に溢れ、大きなメッセージを持った全18曲を通して、彼らの「今」と、強い思いを感じることのできる、そんなアルバムに仕上がった。今後につながる大切な意味を持った1枚だ。

【GLAY OFFICIAL WEB SITE HAPPY SWING】http://www.glay.co.jp/

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