TAKUI

ARTIST PICK UP

TAKUI

デビュー2周年となるTAKUI。
1つのターニング・ポイントと成りうる印象的な楽曲が完成。
ロック・シーンの台風の目がまたもや大暴れ!?マキシ・シングル『Calling You』リリース!

(初出『Groovin'』2001年11月25日号)

TAKUI-A.jpg 毎回いい意味での"裏切り"を見せ、いえ聴かせてくれるTAKUI。本当にかっこいい。幅広くいろんなタイプのサウンドと、個性的な歌詞にすっかり熱狂的なファンにでもなってしまったかのような、そんな"どっぷり浸れる"気持ちのいい感覚…。TAKUIの見た目は可愛らしくて(失礼!)、どこか繊細そうな印象があった。けど先にくるイメージを撃ち破って、まずびっくりするのは声!声! !声! ! ! 見た目の印象から想像することのできない、メチャメチャいい声。凄くしっかりした声で、「これでもか!」てな感じで心に響くハートフルなハイ・トーン。だからして、PUNKテイストの曲の時にはハードでガシガシ噛み砕くように、ラヴ・バラードの時は甘くて切ない、どんな曲にもはまる声。弾けててしっとりしてて不思議な力を持っている魅力的ないい声なのだ。
 2001年に入ってからのTAKUIはマキシ・シングル「ピアス」「FREE FOR FREE」を立て続けにヒットさせ、一躍ロック・シーンの重要人物になりつつある。そして今年の10月21日でメジャー・デビュー2周年を迎えた。そんなTAKUIのニュー・シングル『Calling You』はアニヴァーサリーにふさわしく、今後の音楽活動のポイントとなる楽曲である事は間違い無い。11月の終わりから始まるライヴ・ツアー「THE BLOODY CRACKER TOUR」に先駆けてのリリースとなる。
 さて、ファンの皆々さまにはすごーくお待たせしました、待望の新曲「Calling You」。前作同様TAKUIが作詞・作曲・アレンジを手がけ、声の魅力を最大限に活かしたクオリティの高いサウンドに仕上がっている。飾り気のない言葉に、強くてまっすぐな思いを語っているメロディが気持ちにしっくりくるんだよね。今のジャパニーズ・ロック・シーンの何処にも属さない、もちろん何にも似ていないオリジナリティに溢れた記憶の奥底に残る曲。
 今回の曲の歌詞は色々な意味が含まれているように思うけれど、まず感じたのは切なさ。1つの物語のようでもあるし、現実かもしれないし。この曲の中の彼女は彼の声の届かない遠くへ旅立ってしまった。聴いているうちに、もしかして彼女は死んでしまったのか、死んでいくのか?と思いがめぐる。遠いところへ行ってしまう彼女への思いがぎっしり詰まったこの曲は、究極のラヴ・ソングなのかも知れない。「ピアス」の時も究極のラヴ・ソングだなぁって思ったけど、今作も全く違う形ではあるけれど確かにラヴ・ソング。もし自分が死んでいく立場にあって、もしくは死んでしまったとして、自分の一番大切な人にこんな事言ってもらえたらちょっと嬉しくないだろうか?刹那的ではあるけどね。英語詞を直訳しちゃうと照れくさい感じもあるんだけど、別れの時、私は永遠に貴方を愛さずにはいられないだろうなんて言われたとしたら?悲しいだけじゃ無くて未来を語る強さかな。それをTAKUIらしくハードなサウンドと、まっすぐな歌で聴かせている。この切ない楽曲はTAKUIならではのレクイエムなのだよね。バラードじゃなくても心の叫びっていうのは染み入ってくるんだと思う。いろんな表現方法があって、我流、TAKUI流の言葉には、このドラマティックなサウンドが一番良いのかも知れないね。

Text by 有田幸恵(島田駅前店)

『Calling You』
TAKUI-J.jpg




Maxi Single
OPTIMUM RECORDS/日本コロムビア
COCA-15414
¥1,200(税抜)
発売中

ドラマ主題歌にもなった『seed』のヒットと、続く『Take Your Mark』も好調なTime FellowShipの1stアルバムがついに完成した。デジタルとアナログの見事な融合に、人間らしい温かさも伝わる、大きな意味と可能性に溢れたアルバム。

※現在は中島卓偉として活動中。【中島卓偉オフィシャルウェブサイト】http://www.takui.com/

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