新井裕子

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新井裕子

新井裕子が待望のファースト・アルバム『A Place Inside Me』をリリース!
瑞々しい躍動感と、やわらかな温もりが混ざり合ったヴォーカルは、
私たちに元気とやすらぎと与えてくれます。

(初出『Groovin'』2001年11月25日号)

 新井裕子-A.jpg 新井裕子の歌声の中には、やわらかな温もりがある。それも人工的に作られたものや、用意周到にセッティングされたものじゃなくて、ふと気付くとそばにあって私達を和ませてくれるもの。例えば春の日だまりとか、子猫のお腹の手触りとか、少し触れるだけでなんだかホッとするやわらかな温度感。人肌と言ってもいいかもしれない。心に、耳に優しい歌。中にはそれを癒しと受け取っている人もいるだろう。
 そんな彼女の1stアルバム『A Place Inside Me』が遂にリリースされる。今作には、浜崎あゆみのサウンド・プロデュースで知られる鈴木直人が1年半かけて練り上げた珠玉のナンバーが詰まっている。kanebo肌美精フェイシャルエステクロスのCMイメージ・ソングとしてオンエアされていた「Go Beyond」が1曲目に収録されているのだが、CDを再生して1分13秒後、サビに入った瞬間の声の響きで、私はアルバムの中に引き込まれた。しっかりと練られたメロディは、彼女のヴォーカルの魅力を理解した上で作られているんだろうなあと思えるぐらい声との相性がよい。また、アルバムということもあって、新井裕子のヴォーカルも様々な表情をみせてくれる。4枚目のシングルとして先行発売された「Nothing Can Stop Us」では、"振り返ることなく進もう"というポジティヴな気持ちを力強いヴォーカルで歌い上げ、彼女が作詞を手がけ、今作のタイトル・チューンとなった「A Place Inside Me」では、憂いを含んだヴォーカルで過去の恋をそっと振り返る。そこからはデビューから1年7ヶ月経った現在の成長ぶりと、20歳の女の子の素顔を垣間見ることが出来る。
 そして何より驚いたのは、ここに収録された11曲全てがとても近くに感じられたこと。すぐそばで起こっている出来事のように、すっと感情移入出来るのだ。彼女はアーティストだし、もちろん面識なんてあるわけもない。しかし歌の中で、私は彼女と肩を並べている。そういった不思議な親近感は、やはり彼女のヴォーカルが持っている、自然で、やわらかな温もりから来るものなんだろうか。ぜひこの機会に新井裕子の歌に触れてみてほしい。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『A Place Inside Me』
新井裕子-J.jpg




CD
ポニーキャニオン
PCCA-1590
¥3,000(税抜)
12月5日発売

昨年4月のデビュー以来、4枚のシングルをリリースしてきた新井裕子の1stアルバム。浜崎あゆみのサウンド・プロデュースで知られる鈴木直人が練り上げた珠玉のナンバーが並ぶ。彼女のヴォーカルが持つ透明感と温もりが心地よい。また、今作では2曲の作詞を自身が手がけている。

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