LOVE PSYCHEDELICO

SPECIAL SELECTION

LOVE PSYCHEDELICO

2002年初の衝撃作!!
2ndアルバム『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』いよいよリリース!!
あの唯一無比の存在感は健在。自信に満ち溢れた傑作に仕上がっています。

(初出『Groovin'』2001年12月25日号)

LOVE PSYCHEDELICO-A.jpg DELICOのデビュー・シングル『LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~』の衝撃は今でも鮮明に覚えている。印象的なギター・リフに、日本語と英語が自然な形で行き交う独特な歌詞を乗せ、存在感溢れるヴォーカルによって構築された傑作だった。J-POPファンというより、洋楽ロック・ファンである僕でも、すんなり素直に"カッコイイ"と思った1曲だった。2ndシングル『Your Song』、3rdシングル『Last Smile』でも、その際立った特色は健在。そして、デビュー・アルバム『THE GREATEST HITS』は予想通りの大ヒット。新人としては破格の180万枚突破という売上を記録したのである。
 さて、本作である。一言でいうと、デビュー・アルバムと同様に、文句なく"カッコイイ"と言い切れるアルバムである。なぜ"カッコイイ"のか。一般的に、CDにはミュージシャンの個性が多かれ少なかれ含まれているものだが、ここには、ありのままの強烈な個性を秘めた"LOVE PSYCHEDELICO"そのものがある。そういった、作品自体が放つ唯一無比の個性のパワーというのは、ジャーナリズムによって騒がれたものでもなく、一時的にもてはやされたものでもない、大衆的人気とは無縁の世界で吹き込まれたもので、"カッコイイ"音楽のみが持つ共通の特徴である。なんで僕がこんな事を書いているのかというと、別に「通」ぶって熱弁しているのではなく、個性をありのままに出した、ミュージシャンのやりたい音楽の方が、リスナーである僕たちの心に素直に染み入ってくることが多いからなのだ。僕にとってこのDELICOの新作『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』は、彼らの強い個性がストレートに伝わってくる、文句無く"カッコイイ"アルバムなのである。
 そんな"カッコイイ"アルバムの中身はというと、自らのバンド名をタイトルに含めたという事実が示しているように、自信に満ち溢れた、DELICO'S WORLD全開の作品となっている。佐藤直樹の奏でるギター・リフ、日本語詞と英語詞の絶妙なブレンド、KUMIの存在感溢れるヴォーカル・スタイルという3つの唯一無比の特徴によって構築された珠玉の名曲集、全12曲である(インスト曲1曲、全英語詞1曲あり)。デビュー当時と比べてみるとわかるが、貫禄というものが早くも漂っている。60~70年代のフォーク・ロックやアーシー・サウンドをベースに、DELICOでなければ不可能であろう独特な世界感を奏でている。
 それにしても、デビュー・アルバムがいきなり『THE GREATEST HITS』で、2ndアルバムのタイトルはどうなるのかと思ったら、『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』と、ユニット名を含んだものだった。普通、自らのアーティスト名をタイトルに入れてアルバムを発表するに至るまでには、順調に活動をし、自分達の進むべき道が明確になり、これぞ代表作、と納得が出来る頃(だいたい4枚目、5枚目あたりか)に使うのだろうが、彼らにいたってはまだ2枚目。それほどの自信作なのだろう。いやしかし、その自信が「カッコイイ」のだ。
 そしてLOVE PSYCHEDELICOは手が届かないくらいビッグになったようでいて、いまも僕たちのそばにいる。このアルバムを聴いていると、そんな思いが頭をよぎった。このアルバムを聴き終えたリスナーの皆さんも、きっとそう感じることだろう。

Text by 大林 誠(大仁店)

『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』
LOVE PSYCHEDELICO-J.jpg




CD
ビクターエンタテインメント
VICL-60888
¥2,900(税抜)
2002年1月9日発売

あの衝撃的1stアルバム『THE GREATEST HITS』から1年。更なる進化を遂げた2ndアルバム。1曲目からDELICO'S WORLD全開!! ありそうでなかったギター・リフのオンパレード。あの独特の歌詞も、あのGROOVE感も健在。

【LOVE PSYCHEDELICO OFFICIAL SITE】http://www.lovepsychedelico.net/index.html

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