Mr.Children

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Mr.Children

Mr.Childrenが送る、新しい年の幕開けを飾るにふさわしいラヴ・ソングは、
ドラマで話題のあの曲。
21世紀の新たなスタンダードとなるべき珠玉のラヴ・バラード、「君が好き」。

(初出『Groovin'』2001年12月25日号)

Mr.Children-A.jpg 前作「youthful days」を主題歌としたドラマ「アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜」の第1話よりオンエアされ、既に視聴者からの問い合わせが殺到した曲がいよいよ発売になる。その話題の曲がこの「君が好き」で、同じラヴ・ソングながら勢いのあった前作からはガラッと雰囲気を変え、哀愁漂う久々のラヴ・バラードに仕上がった。Mr.Childrenのラヴ・バラードといえば、今もなお大きな支持を受け続けている名曲「抱きしめたい」が思い浮かぶが、今作からも「抱きしめたい」を思い起こさせるような、せつなくも心地よく染み入るメロディーの中にあふれた真っ直ぐで温かな思いが、懐かしさと共に伝わってくる。しかしながら今作には、一言で言うと「大人らしさ」というか、ただ誰かを純粋に思うだけではなく、そこに伴う覚悟のようなものがしっかりと表されている。それは「抱きしめたい」を発表した頃から今日までに彼らが吸収してきた様々な事柄であるはずで、はっきりとした形としては目に見えないものかもしれない。しかし歴史が刻んだ年輪とも言うべきアーティストとしての深みが、確かにそこにある。そして冬の街の空気を浄化するような透明感のあるサウンドは、今の彼らでなければ奏でることのできない響きを伴っている気さえする。
 ドラマ「アンティーク」で使用された挿入歌が全て彼らの楽曲で構成されていたことは有名だが、ミスチル・ファンには曲が流れる度に懐かしさまでも感じさせ、ドラマ・ファンには、様々な場面のBGMとして自然に流れ込んできたはず。洋菓子店を舞台に繰り広げられる人間模様と数々の場面のために、ストーリーとリンクした曲がちゃんと用意されていた。1回の放送で10曲以上、しかもそれら全てが1アーティストの曲によって構成されながら違和感を感じさせない。桜井和寿の作る曲(詞)はそれだけ様々な表情を持っており、その中にはありふれた日常とそこに存在する誰もが持ちうる心情が常に映し出されているのだ。それら全てに「気負いなく聴ける」という性格を持たせることのできる作り手として、彼の右に出る者はいないのではないかとさえ思える。そして今回のこの試みによってMr.Childrenの楽曲の幅広さが改めて認識されたことは言うまでもないだろう。
 この夏に2枚同時に発表されたベスト・アルバム『Mr.Children 1992-1995(通称 肉)』『Mr.Children 1996-2000(通称 骨)』を区切りとして、新たなMr.Childrenとしての幕を開けた彼ら。今作を含めこの半年間で3枚のシングルを届けてくれたことになるが、夏の野外ツアーのタイトルにもある「POP」なペースで、ミスチル・スタンダードの様々な形をこうやって見せてもらえることを、1人のファンとして喜ばずにはいられない。
 現在、通算10枚目となるニュー・アルバムのレコーディングを開始している彼ら。この勢いから、そのアルバムの完成が待ち遠しくなることは必至だ。そして10周年を迎える2002年の幕開けを飾るにふさわしいこのニュー・シングルが、21世紀のラヴ・スタンダードになることは間違いない。

Text by 二宮万里(編集部)

『君が好き』
Mr.Chirdren君が好き-J.jpg




Maxi Single
トイズファクトリー
TFCC-89020
¥1,000(税抜)
2002年1月1日発売

ドラマ「アンティーク」の挿入歌として話題になった「君が好き」がいよいよリリースされる。これまでにも多くの名曲を世におくり出してきた彼らが、21世紀におくる新しい形のラヴ・ソング。どこか「抱きしめたい」を思わせる懐かしいメロディーの中に、しっかりとした強さを感じる、優しさあふれるバラード。

Mr.Children CONCERT TOUR POP SAURUS 2001
Mr.ChildrenLIVE-J.jpg




トイズファクトリー
[DVD]TFBQ-18021
[VHS]TFVQ-68064
¥5,600(税抜)
2002年1月1日発売

この夏、全国10ケ所15公演、約45万人を動員した久々の野外ツアー「POP SAURUS」の内容が映像として蘇る。今作はその中から8月25日、26日に行われた千葉マリンスタジアムの模様を編集したもの。「君がいた夏」から「優しい歌」までの幅広い選曲で、まさにベスト・ライヴ映像。

【Mr.Children 公式サイト】http://www.mrchildren.jp/

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