ジェイド・アンダーソン

ARTIST PICK UP

ジェイド・アンダーソン

期待できる新人の登場は、「音楽好き」な多くの人たちにとって朗報以外の何ものでもない。
カテゴリーは「ジェイド・アンダーソン」。
とにかく素敵な音楽です。

(初出『Groovin'』2001年12月25日号)

Jade-A.jpg 何の予備知識もなしにこの音に触れられたことに感謝したい。なぜならレコード会社がどれだけ力を入れてプロモーションをするとか、マスコミがどう押すとか…、それはとても大事な事ではあるけれど、ともすると1人のリスナーとしてはアーティストの音楽の本質を見失いがちになる要素でもある。が、それが無いところでの試聴。特に新人の場合はね、妙な予備知識がないことが大事だったりするのですよ。そういう意味では、冒頭に書いたように、僕はまず「音」からジェイド・アンダーソンに入り、結果、「これいいよ」とまわりの人たちに言える〜これは"音楽好き"にとっては最高の幸せ。
 前説が長くなってしまったが、ジェイド・アンダーソンがブリティッシュ・ロック界の伝説的グループ、YESのジョン・アンダーソンの娘だったりすることは、僕のようなオールド世代には嬉しかったりもするが、彼女自体はどこぞの二世タレントとは異なり、親の七光りともっとも縁遠いところにいる。つまり、新人にして、早くもちゃんとしたスタイルを持っている。
 その昔、「楽して儲けるスタイル」と言っていたのは植木等(クレイジー・キャッツ)だが、ジェイドの場合は、「楽して聴けるスタイル」か。要は音楽の本質である(と思う)「楽しさと質感」がバランス良く同居し、聴く者をしてワクワクさせてくれる仕掛け。簡単そうで難しいこの課題を軽々クリアしているジェイドって只者じゃないぜ。一見ソウルフル、でも実はジェイドフル(?)〜ちなみにジェイドって翡翠(ひすい)という意味があるそうだ。まさにキラメクことが運命づけられたアーティストなんだ!と、納得。
 彼女の本格的なデビューは2002年2月というが、その前にうれしい先行シングルのリリース。良い曲なのに500円で買える嬉しい1枚。レジ脇に募金箱でも置いたら200円くらいは入れたくなる位に得した気分の買い物ができるはず。まぁ「楽して聴いて」みてよ。そうそうスッカリ言い忘れていたが、ジェイド・アンダーソンはとても素敵な美しい女性です。天は二物(この場合は音楽的才能と美貌)を与えたりするのですよ、往々にして。それでは『シュガー・ハイ』よろしく。

Text by Brian Washio

『シュガー・ハイ』
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Maxi Single
Sony Records Int'l
SICP-73
¥500(税抜)
発売中

期待できる新人の登場は「音楽好き」な多くの人たちにとって朗報以外の何者でもない。聴く者をして心から楽しく素敵な気分にさせるソウルフル&ハートウォームな音。カテゴリーは「ジェイド・アンダーソン」。2ヴァージョンが収録されて500円!という価格も嬉しい1枚。

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