KICK THE CAN CREW

ARTIST PICK UP

KICK THE CAN CREW

あの衝撃的シングル『クリスマス・イブRap』から2ヶ月余り。
早くも次なる衝撃作の登場。
強力パフォーマンスである「キャラ立ち3本マイク」全開のアッパーなトラック!!

(初出『Groovin'』2002年1月25日号)

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 ちょっと古い話になるが、クリスマス・シーズンになると、必ず巷に流れる定番曲、山下達郎の「クリスマス・イブ」。去年のクリスマス・シーズンも例外では無かったが、この曲をネタに見事にサンプリングした「クリスマス・イブRap」をヒットさせ、J-POPシーンに衝撃を与えたKICK THE CAN CREW。今までのJ-HIP HOPアーティスト達が"ネタ"にし、発表してきた曲というのは、やはり洋楽ヒット曲が圧倒的に多かったが、彼らのように邦楽ヒット曲、しかも、日本人なら誰もが知っている定番曲を"ネタ"にした曲というのはあまり記憶に無い。しかも、というか、もっともな結果だが、楽曲の良さは口コミで伝わり、爆発的なヒットとなったのだから更に驚いた。2001年のクリスマス・シーズンは、この元ネタ曲と、この曲を"ネタ"にした彼らの曲によって賑やかしさを増したのであった。
 そんな彼らKICK THE CAN CREWとは(もう説明不要だと思うが、念のため)、KREVA / MCU / LITTLEの3人から成るユニット。初の音源リリースは、98年にインディーズで発表したマキシ・シングル『タカオニ』。その後、それぞれのユニットでの活動やプロデュース、リミックス、フィーチャリングMC、日本各地でのクラブ・プレイでその名を轟かせてきた。2000年には、日本中のHIP HOPアーティスト達が集合するイヴェント「B-BOY PARK」のテーマ・ソング『DOWN BY LAW』をCRAZY-A氏を迎えてリリース、日本中のB-BOYから絶大な支持を得る。更に、フリー・スタイルのMCの腕を競い合うMCバトルにて、KREVA(KICK THE CAN CREWのトラック・メーカーも努める、J-HIP HOPシーン始まって以来の貴重な存在である)が、3年連続して優勝。名実共に日本一のMCとなる。彼はその後も、映画「ケイゾク」のオープニング/エンディング・テーマやTBS「池袋ウエストゲートパーク」の劇中音楽を手掛けるなど、トラック・メーカーとしての才能も認められ、数々のリミックス、プロデュースもこなす。KICK THE CAN CREWは、そのLIVEパフォーマンスや、他の2人のMC、MCU(いま話題の若手HIP HOPアーティスト20人をまとめあげ、「東京U家族」をオーガナイズ)と、LITTLE(東京で1番小さなMC。2001年12月5日にはソロ・アルバム『Mr.COMPACT』をリリース)を含めた、3人それぞれの強力なキャラから「キャラ立ち3本マイク」と呼ばれ、クラブ・シーンでは勿論、野外ライヴやロックのイヴェントでも会場全体を彼らのペースに巻き込んでしまう。
 そんなKICK THE CAN CREWからニュー・シングル『マルシェ』が届けられた。この曲は、シングル候補曲として他の未発表曲と共にウェブ・サイト上で公開され、ファン投票によって1位に選ばれた曲である。よって、とてもキャッチーで聴きやすい。これまた大ウケ間違いなしのハッピー・チューンである。今も増え続けるJ-HIP HOPシーンの新派の中でも、名実共にトップ・クラスである彼らの勢いが顕著に表れた作品である。
 そして、2月14日には待望のメジャー・デビュー・アルバム『VITALIZER』もドロップ・アウトされるという。間違いなく完成度の高い、(気が早いが)2002年を代表する作品になるだろう。

Text by 伏見朋記(浜松高台店)

『マルシェ』
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Maxi Single
DREAM MACHINE
HDCA-10085
¥1,200(税抜)
発売中

シングルをリリースするたびに新たな衝撃を与え続ける"名曲量産チーム"の新曲。今作も3人それぞれの強力なキャラが絶妙に絡み合い、早くも"クラシック"と呼べそうなハッピー・チューン。2月9日から全国公開される映画「無問題2」のオープニング・テーマ。

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