CORE OF SOUL

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CORE OF SOUL

このアルバムを聴いたら誰もが驚くのではないだろうか。
感情の振り幅の広さや、表現力の深さ。
なぜだか自然に涙が溢れてしまった。

(初出『Groovin'』2002年2月25日号)

 彼らがCORE OF SOULたる所以は、大阪のインターナショナル・スクールの同級生(昨年の3月まで高校生だった)、中村蕗子とソン・ルイ、そして飯塚啓介、この3人の3つの魂が得も知れぬ強い吸引力と光を放っているところにある。
 デビュー曲「Photosynthesis」や、セカンド・シングル「FULL MOON PRAYER」は自然と関わって生きる中でのユニバーサルな想いを歌ってきた。今作のタイトル曲「Natural Beauty」もそんな流れを汲んだラヴ・ソング。「屋久島に行った時、服を着ているのがはずかしい、命そのものにエクスタシーを欲する情熱を、言葉もなく教えてくれた島に、私は恋をしてしまった」と語るのはヴォーカルの蕗子。CORE OF SOULの世界は、森の木々や深海のブルー、はたまた草原や灰色の空といった風景の中によく溶け合うだろう。18才の彼らが産み出した豊かな感受性は、まっすぐ音に表現されている。そして若さ故の爆発力はROCKへと形を変え、エキセントリックなメロディーはそんなROCKの勢いに押し上げられ、まるで夜空に輝く月へとつながってゆく階段のよう…1段1段、昇ってゆける様な気がする。
 だが、このアルバムが聴く者の心を捕らえて離さないのは、もっともっと深い所で魂が鳴っているからだ。自然の力に癒され、心の痛みを解放したいという切望がさらに強くなり、10代の心に受けてきた傷、その痛く切実な思いが歌を本物にした。卒業してゆく新たな朝に友を思って唄った歌…。曲作りに煮詰まった時、ソンが気分転換にとリラックスした状態でギターを弾いていた時に蕗子が口ずさんだラヴ・ソング「Sweet Dreams」、その中に女という生き物の神秘と残酷さを見てドギマギするソン。どの曲をとってみても"嘘偽りのないNatural Beauty"。彼らの可能性は、間違い無くどこまでも広がってゆくだろう。
 9曲目の「Living Through」は戦争のことを歌っているが、今こんな時代だからこそ、音楽の果たす役割は大きい。なぜ、戦争が終わらないのか?私達の細胞に組み込まれている、生理的欲求、思考回路、強さや儚さ、人と繋がる意味、それらを世界レベルから個人レベルへ…深く探っていって、いつか戦争をしないで良い道を、彼らなら見つけ出せるかも知れない。

Text by 森田みき(玉川高島屋店)

『Natural Beauty』
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CD
東芝EMI
TOCT-24740
¥1,905(税抜)
2月27日発売

自然と交わって生きる中でのユニバーサルな想いを歌うことで癒され、心の痛みを解放したいという切望がさらに強くなったようだ。そんなCORE OF SOULのデビュー・アルバム『Natural Beauty』は、心に響くホンモノの音楽を求めている音楽ファンにとって希望の1枚になることは間違いない。


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