hyde

SPECIAL SELECTION

hyde

バンド・サウンドとは一線を画したhydeのソロ・ワークは、
このアルバムで新たな局面へと向かった。
彼の心の中にある音楽にとことん迫った、最高傑作の誕生!

(初出『Groovin'』2002年3月25日号)

hyde-A.jpg 創られた音楽がラルク アン シエルと違って当たり前。だってソロなんだものね。だけど、誰にだってその人に対するイメージがある。彼の場合は、ラルク アン シエルのヴォーカリストhydeというイメージ。そのイメージっていうのはもちろん大切なんだけど、それを打ち破って新しい事を始めてくれたりするのって最高に気持ちがいい。そう思わない?たとえそれが自分の思っていたイメージと違っていたとしてもね。
 今回のアルバムは、hydeがソロとしてリリースする初めてのアルバム。今、初めてこの音源を聴いたのだけど、正直なところ驚きましたよ。ホント。ここに収録されているそれぞれの曲は1つのコンセプトというか、世界観を元に構成されているのだけど、まず最初に私が抱いたのは「不思議」っていう感覚だったりする。それは"理解できない"という意味の不思議ではなく、"初めての感覚"という意味での不思議。今作の楽曲は、例えば、ROCKをベースにしたとか、バラードとか、そういった簡単な言葉で片付けられる音楽じゃない。楽曲の世界がひたすら胸に迫ってくる。その感覚が本当に不思議だったんだ。
 そしてhydeの囁き、ウイスパーなヴォ−カルは詩の世界を大きく盛り上げている。彼の声は鼓膜を痺れさせ、耳の奥まで染みてくるヒ−リング効果を持っているのだなあと思ってしまう。ゆったりと1つ1つの音を大切に歌う声がじわぁぁぁぁっと染み込んでくる。なんかそ〜いうのっていい。どんな内容の詞であっても、うん、分かる!っていう感じ。説得力っていうのとも少し違う。ただ心が強く反応しているんだ。このアルバムを聴いてくれれば分かるんじゃないかな?そういう感覚。
 収録されているのは、すでにリリースされているシングル「evergreen」「Angel's tale」「SHALLOW SLEEP」、映画「化粧師」イメージ・ソング「A Drop of Colour」を含む全10曲。ソロ第1弾でこういう雰囲気のアルバムを創るhydeには脱帽。だってそれはある意味、彼の新たな挑戦でもあるわけだから。hydeの強い意志がそうさせているのかもしれないけど…。だってバンドからソロになる場合、特にヴォーカリストはバンドのイメージそのものなわけで、本当にいろいろ大変なんです。でも、そこから抜け出してちゃんと自分の世界を作り上げたから、こ〜いうアルバムになったんだろうね。結果的に彼の声質が一番活かされていると思うし。気高いっていうのかな、高尚な気持ちにもなる。だからって緊張するとか、近寄りがたいとかそんなのは全くなくて、凄くいい。ヘッドフォンで聴くと、より一層彼の声の魅力にはまれるはずです。
 hydeのファンの皆さんには絶対に納得して聴いてもらえる、充実した内容となっている今作。そのタイトルは『ROENTGEN』(レントゲン)。これは何を意味しているのか?レントゲンは身体の中を調べるためにある。内臓の中まで。骨格まで。そ〜いう事なんじゃないかな?ここで私があれこれ言うとなんだか先入観を与えてしまいそうなので、あえて言葉にしない事にしよう。とにかく先入観は取っ払って聴いて欲しい音楽だと思う。hydeという1人のアーティストが、その中に在る最高なものを表面化しているのがこのアルバムです。まずは聴いてみること、お願いしようかなぁ。

Text by 有田幸恵(島田駅前店)

『ROENTGEN』
hyde-J.jpg




CD
HAUNTED RECORDS/Ki/oon Records
【初回生産限定盤】KSCL-444 ¥3,100(税抜)
【通常盤】KSCL-445 ¥2,913(税抜)
3月27日発売


hydeのソロ・ファースト・アルバムには、大ヒット・シングル「evergreen」「Angel's tale」「SHALLOW SLEEP」に加えて、映画「化粧師」イメージ・ソング「A Drop of Colour」も収録。独特の世界観、そして不思議な空気と囁く歌声にはまって下さい。初回限定盤のみ、スペシャル・パッケージ。

【hyde 公式サイト「hydeist」】http://www.hyde.com/index2.html

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