ROSSO

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ROSSO

ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケを筆頭に、
日本のロック、ハードコア・シーンの重要人物が揃った新バンド、ROSSO。
全ロック・ファン注目の1stアルバムにして初音源『BIRD』が今放たれる。

(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

ROSSO-A.jpg 「あのミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケが、新たなバンドを始動させる」そんな話を耳にして、その音源を聴けるのを心待ちにしていたのだが、まさかこんなにも早く、それもシングルではなくてアルバムをリリースしてくれるとは思いもよらなかった。そしてその楽曲が非常に興味深く楽しめるものなのだが、その点に関してはまた後述。
 まずはこのバンド、ROSSOの参加メンバーについて少しふれてみたい。Vo&G担当のチバユウスケ。この人に関しては、ROSSOに興味を持っている人だったら、いまさら多くの説明は不要だろう。現在の日本を代表するロックンロール・バンドのひとつ、ミッシェル・ガン・エレファントのヴォーカリストだ。また、最近では東京スカパラダイスオーケストラのシングル「カナリヤ鳴く空」に参加し、純粋にヴォーカリストとしての唯一無二の個性と存在感を見せてくれたことも記憶に新しい。ベースには元BLANKEY JET CITYの照井利幸。この人は長年ブランキーの背骨としてリズムを支えてきた人で、そのアレンジ力と硬質な色気のある音には定評がある。ブランキーでウッド・ベースを弾く姿は本当に惚れ惚れする程カッコよかった。そしてドラムスには、ASSFORTからMASATOを迎えた。このASSFORTは、1988年から日本のインディーズ・シーンで活動を続けているパンク/ハードコア系のバンドだが、その中にあって彼は好きな音楽ジャンルにテクノ等も挙げているようで、なかなか広い音楽趣味を持っている人物だ。
 以上にあげたように、知っている人からするとかなり豪華なメンバーによる3ピース・バンド"ROSSO"。さて、その楽曲を聴いてみた感想だが、ギター・リフを中心にヴォーカルを含む全楽器が凄まじい強度でたたみかけるようなミッシェルの楽曲に比べて、ROSSOは3ピースということもあり、もう少し音全体に良い意味での隙間と余裕を感じた。また、MASATOのたたき出す、やや乾いた質感のスネア、独特なハット使いのドラムもなかなか新鮮で、リフ物でもミッシェルとはまた別のグルーヴを作り出している。曲ごとにあげると、メロディアスな曲構成の「シャロン」「星のメロディー」、MASATOのドラムの魅力炸裂の「カリプソ・ベイビー」、12分にも及ぶジャム・セッション風でもある「モンキー・ラブ・シック」等が特に興味深く楽しめた。
 このROSSOというバンド、ミッシェル・ガン・エレファントのチバの新たな魅力を感じ取れるというだけではなく、純粋にいちロック・バンドとして非常におもしろいバンドだと思うので、ぜひとも多くの人に聴いてもらいたい。そしてできれば5月から始まるイベント・ツアー「weekend lovers」(全国11ヶ所、 LOSALIOSと一緒にまわります。各会場豪華ゲスト・バンド&DJあり)にも足を運んで、アルバムよりもさらにパワーアップしているであろう、バンドの最新のグルーヴを確認してもらえたらと思う。

Text by 戸塚隆史(玉川高島屋店)

『BIRD』
ROSSO-J.jpg




CD
TRIAD/日本コロムビア
COCP-50689
¥2,913(税抜)
発売中

デビュー以来、すさまじい勢いで日本のロック・シーンを代表するバンドに登りつめたミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケが、元BLANKEY JET CITYの照井利幸、ASSFORTのMASATOという強力メンバーを迎えて作られた、地を揺らし、闇に踊るロックンロール・アルバム。

【ROSSO 公式サイト】
(コロムビア)http://columbia.jp/~rosso/
(ユニバーサル)http://www.universal-music.co.jp/r-and-r/rosso/news.html

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