TRICERATOPS

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TRICERATOPS

あなたは未来を思った事はありますか?
20年後の自分を考えた時、恐いと感じた事はありますか?
未来に夢はありますか?

(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

 2000年を迎えた年に「もう地球はここまで来てしまった…」なんて、すごくカッコつけて物語の主人公になりきってしみじみ思ったっけ。子供の頃は2000年っていったら遠い未来だったし。ロボットに囲まれた生活が始まるんだとか考えてたなぁ…実際2000年を迎えるまさにその瞬間、皆さんは何を考えてた?私は恒例の(?)カウント・ダウンLIVEに行っていて、世紀が変わる瞬間、来年もこんな年明けだったらなぁってぼやぁぁんと感じた。ただそれだけ。先の事は考えなければいけないって事はわかるんだけど、感じることって難しい。なかなか現実的ではないのだ。やっぱり平和ボケしてしまったこの日本の中にいる、やっぱり寝ぼけた日本人の私だった。子供の頃の希望的未来では、もう"アトム"も"ドラえもん"も生活の中に共存しているはずだったのに…マンガの中で見た仮想世界と現実世界がごっちゃになっていたもので、お恥ずかしい…。
 なんでこの話を始めたのか、それは今回の「2020」という曲に対するリスペクト。なんかこの曲、いろいろ思うところがあって、今から約20年後の未来を思って作られたという曲。今、こんな時代だからこそこんな曲が生れてきたのかも。いろんな音で装飾された音楽から離れ、3人だけで作られた、シンプルなんだけど哀しみの中に見えた希望をミディアム・テンポで淡々と歌い問いかける問題作!つまり今一番必要な曲だって事。100年後の未来なんかじゃなくて、せめて20年後までは平和な世の中であって欲しいと願い、歌っている。これは昨年起きた、あのテロ事件にインスパイアされての事と考えて間違いないだろう。今、いつ何が起こるか分からない時代に生きる私達の大切なものって?と考えると、変わらない自分、変わらないでいる事、そんな事なんだよねぇ、やっぱりさ。ぜ〜んぜん難しくなんかないんだけど、迷っちゃうんだよね、人間だから。
 今回のシングル「2020」は君の為にずっと歌い続けていられるだろうか?と問いかけていながらも、ずっと歌い続けて行くっていう強さを感じる。最初はさらりと聴いてしまったんだけど、次に歌詞カードを眺めながら聴いてみた。目の奥がじわわぁぁっと温くなってく感覚がした。「あ、これって解る!」って感じでしょうか?感覚がはじめにあって、その後に脳に届く感じ。曲はミディアム。バラードで歌い上げる強さよりも、淡々と静かなんだけど温かいっていう、そんな不思議な説得力がある。言いたい事、感じて欲しい事、そして考えなければならない事。全てがわかる。見えてくるの。凄いよね。ここ最近のTRICERATOPSの音楽とは全然違うかな、とも思う。もしかしたら原点回帰!なのかな。

Text by 有田幸恵(島田駅前店)

『2020』
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Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35400
¥1,000(税抜)
5月1日発売

移籍第1弾となる、いきなりの超問題作!言葉の意味と音をナチュラルにとらえ、勇気と希望に込めて歌う印象的なミディアム・ナンバー。デビューの頃に戻ったようなシンプルな音づくりは感動!今、この時代だからこそ出来た楽曲かも。20年後を夢見る事できますか?初回盤のみ、ボーナス・トラック1曲を収録!

【TRICERATOPS Official Site】http://www.triceratops.net/

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