麻波25

ARTIST PICK UP

麻波25

最新ハードウェア装着。特殊プラグ・インもインストール済み!
再起動完了!麻波25の最新作は、哀愁&せつなさあふれる、
完全前向きメッセージ・ソングだ!

(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

 「この世に偶然なんてひとつもない。すべてが必然だ」こんな言葉を聞いたことがある。そしてそのことをふと思い出した。
 最近やたら気になっていたCM。青い海。全速力で自転車をこぎ、電車を追う2人の少年。ポカリスエットのCMにぴったり合った、爽やかな映像だ。しかし、そのバックに流れている曲が妙に気になる。決して爽やかではないその音。一瞬違和感をおぼえて目と耳を集中させると、これ以外の曲はありえないというくらいに、だんだんと映像と合ってきて、そのCM自体が凄く印象に残ってしまった。商品と映像と音楽があまりにはまっていると、期待通りでありふれているから、印象が薄い。しかしこのCMは、一瞬で画面に集中させ、その一風変わった見事な調和に、見ている者をはまらせる。サビの部分が頭に残ってぐるぐる回り、私はまんまと制作者の思惑にはまってしまった。
 そして今回、この原稿を書くべく、麻波25の新曲「SONS OF THE SUN」の音を聴いて正直驚いた。例のCMの曲だったからだ。哀愁漂う前奏に続いて、サビから歌い出される今作。CMではサビから流れるから多少印象が違っていたが、改めて1曲を通して聴きながら、自分とこの曲との出会いを「こりゃ偶然じゃなくて必然だ」と納得した。出会うべくして出会い、書くべくして書く、という感じだろうか。
 知る人ぞ知る「麻波25」は、2MCプラス、ギター、ベース、ドラムの5人編成。ヘヴィ・サウンドでありながら、ヒップホップ的アプローチも見せるバンド・スタイルが特徴。2MCにサンプリング、ブレイクビーツを巧みにおり混ぜ、ラウドシーンのみならず、ミュージック・シーンを爆走中だ。最近では、新メンバーにギターのTOMOを迎え、3月発売のワンコイン(税込500円)シングル『2MC+DBG(REAL DS-King Version)』をリリース。高らかなサウンドとリリックで、ライヴ仕様のオリジナルな麻波サウンドを聴かせた。
 そして今作の「SONS OF THE SUN」。哀愁漂う前奏から始まり、ギターの調べがなんとも言えずせつないのに、そこへ持ってきて、妙に男男した歌声の重なりと、前向き過ぎるリリックが心憎いほどだ。とにかくここしばらくは、この曲が頭から離れそうにない。

Text by 二宮万里(編集部)

『SONS OF THE SUN』
麻波25-J.jpg




Maxi Single
HAPPY HOUSE/ビクターエンタテインメント
VICL-35378
¥1,200(税抜)
発売中

2MCにサンプリング、ブレイクビーツを巧みにおり混ぜたオリジナルのバンド・スタイルで音楽シーンを侵略中の麻波25の最新作「SONS OF THE SUN」は、哀愁を漂わせながらもガンガン攻める、前向き過ぎるメッセージが印象的。ポカリスエットCMソング。初回のみステッカー封入。

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