GOING UNDER GROUND

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GOING UNDER GROUND

花唄ロック満開!GOING UNDER GROUNDの第2章のはじまりは、
春を超えて、もうそこは夏模様。
あの夏のミラージュが、心をキュン、とさせてくれます。

(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

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 GOING UNDER GROUNDの音楽がイメージさせるものはいつも「青春」だ。歳を重ねるうちに口に出すのが恥ずかしくなるような言葉だが、実際、彼らの音楽の中にはにいつもこの「青春」が映し出されていると思えて仕方がない。それは、学生時代のような、いくつかの規制がありながらも一番自由な時期のようで、きっとその真っ只中にいると、気付かないものかもしれない。けれど、遠く離れれば離れるほど、キラキラと輝いて見える。そしていつも彼らの音楽を聴いていると、青春というのは気持ち次第で一生続くものなのかもしれないとさえ思えてくる。きっと彼らの音楽が、タイムマシンのように、聴く者を「あの頃」や「あの頃」に連れて行ってくれるからだろう。その先は過去であったり、時にはずっと先の未来だったりもする。
 彼らの音楽が魅力的なのは、彼ら自身が自らの音楽の中にどっぷりと浸かっていないからかもしれない。自分たちが気持ちいいと思えるメロディーをつないでいたらこうなった、みたいな、無意識に、ただ楽しみながら自然に生まれてきた音の重なり。それが伝わってくるから、聴いている側も自然に楽しくなるのだろう。きっと彼らは今も青春の真っ只中なのだ。だから音も彼ら自身までもキラキラと輝いて見えるのだ。その上、悔しいくらいに心をくすぐるタイトルたちや、聴いてみて期待通りの「やられた!」的な爽快感がたまらなく気持ちいい。昨年発売されたメジャー・ファースト・アルバムのタイトルは『かよわきエナジー』だったし、今作は『ミラージュ』。もし彼らの音楽に告白されたら、100%オッケー!なんて思ってしまうほど乙女心もくすぐってしまう言葉の数々。  そして今回も、ミラージュという、あまり遭遇できない神秘的なものと、タイトルの響きに、聴く前からワクワクさせられた。サビの部分から始まり、そのヴォーカルを助走にして、スピードが一気に上がる。そしてそのまま、彼らの得意とする、疾走感あふれたメロディーが進んでいく。ハード過ぎず、ソフト過ぎず、まさに独特の「花唄ロック」。春爛漫を通り越して、からっと晴れた夏を思わせる、松本素生の少年のようなヴォーカルがなんとも魅力的だ。聴いていると、走り出したくなる衝動にかられる。いや、自然と走り出してしまっている。途中で少しスピードを落として、力をためてまた再び走り出す。晴れた青空と乾いた空気を感じながら、思い出と思いとちょっとした希望のようなものを抱きながら、あの夏のミラージュに、さまざまなものが映し出される。
 男性ばかりの5人編成のバンドが作り出している音の重なりは、キラキラとした響きを持ちながらも、そのキラキラ感になぜか違和感は無い。それは意外なようで、とても自然だ。それぞれのパートが生き生きとぶつかり、作り上げられるサウンドの気持ち良さは、言葉で表現するのが難しいほどだ。バンドが結成された頃の純粋な感覚が今でもあって、そしてこれからも彼らの音楽は、ずっと聴く者をワクワクさせてくれるのだろう。
 先日発売された、ザ・キンクス・トリビュート・アルバム『KINKY BOOT』にも参加し、「Victoria」を聴かせてくれた彼ら。オリジナルの素晴らしさに敬意を払い、そこに彼ららしい色を混ぜ、新たなサウンドの魅力を見せてくれた。そんな風に、いいものはより素敵に、何気ないものだって素敵にさせてしまうGOING UNDER GROUNDの音楽。「O・Kロック(=OKEGAWA ROCK)」はきっと「オールオッケーなロック」でもあるはず。今作「ミラージュ」は、そんな素敵な彼らの今後が、ますます期待されるグッド・チューンなのだ。

Text by 二宮万里(編集部)

『ミラージュ』
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Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35379
¥1,000(税抜)
発売中

昨年発売のメジャー・ファースト・アルバム『かよわきエナジー』もいまだ絶好調のGOING UNDER GROUNDが、また素敵な新曲を届けてくれた。c/w「秘密」は、ドリーミーで温かさ溢れた曲。あの夏のミラージュに、あなたは何を映し出しますか?初回盤には「桶川通信 映像版」が抽選で当たる応募券封入。

【GOING UNDER GROUND official website】http://www.aquamusic.co.jp/going/

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