ジェニファー・ペイジ

ARTIST PICK UP

ジェニファー・ペイジ

あの『クラッシュ』から3年、
またしてもすごいシングル曲「ディーズ・デイズ」と
ニュー・アルバムを引っさげて、ついにジェニファー・ペイジ帰還!

(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

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 ジェニファー・ペイジといえば、1998年にいきなり全米で大ヒットを記録したデビュー・シングル「クラッシュ」を覚えている人も多いだろう。まるでシンデレラのように彼女を時のディーヴァへと変身させた「クラッシュ」は、FM局に持ち込まれた1枚のサンプル盤がきっかけだった。そのサンプルを大変に気に入ったプロデューサーがヘヴィー・ローテーションを敢行、見事リクエスト・チャートのナンバー・ワンに輝いた後、全米に波及していった。名曲は曲そのものの魅力だけで人々の心をとらえてしまうことの好例だろう。しかし、そこで浮き足立ってしまったり、周囲からの圧力に耐えかねて才能をすり減らし、挙句の果てには一発ヒット屋などという悪しきレッテルを貼られてしまうアーティストも多い中、3年のブランクを経て、ジェニファー・ペイジがついに待望のセカンド・アルバム『ポジティヴリー・サムホェア』をリリースした。
 まず3年のブランクについて彼女は、「時間があいたことが、新たなスタートを切るにはかえって功を奏したともいえる。私は年を重ねたし、経験もつんで、人間性が前より豊かになったと思う。再出発という気持ちよ。そう、私を忘れている人たちもいるかもしれない。だから私は前よりもがんばって自分を証明しなくてはいけないの。でもそれはクールなことだし、時間があいたことは私にとって大きな収穫を得る良い機会だったと心から思える」とコメントしている。そう、ジェニファー・ペイジはいったん自分を出発点に戻し、真っ白なキャンバスから自分自身を描き出しているのである。
 気になるニュー・アルバムの内容は、まさに彼女の充実ぶりをそのまま表しており、前作を引き継ぐキャッチーでメロディアスなポップ・チューン(ファースト・シングル「ディーズ・デイズ」には要注目!)のみならず、ヒップ・ホップやルーツ・ミュージック、R&Bなどアメリカの良質な音楽をいっぱいに吸収して、彼女自身のオリジナルとして提示している。前述のコメントにもあるとおり、時を重ねたことによる、"経験"という収穫がアルバム全体に満ち溢れており、それはアルバムをとても余裕のある、スケールの大きいものにしている。
 日本の洋楽購買層は圧倒的に男性が中心になっているが、先日ニュー・アルバムを発表したばかりのアラニス・モリセットやシェリル・クロウ、そしてこのジェニファー・ペイジのような、"自然体でかっこいい"女性たちの活躍は、きっと同性からの大きな支持も集めるに違いない。

Text by 作山和教(市原東五所店)

『ポジティヴリー・サムホェア』
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CD
ビクターエンタテインメント
VICP-61730
¥2,400(税抜)
4月10日発売

ビルボードのトップ3に食い込み、全世界20カ国以上でトップ10ヒットとなった『クラッシュ』から3年、ジェニファー・ペイジが素晴らしいニュー・シングル「ディーズ・デイズ」とニュー・アルバムをリリース。やはり才能は本物であることが証明された強力盤。

【ジャニファー・ペイジ 日本オフィシャルサイト】http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A011298.html

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