編集長のおすすめ!

編集長おすすめlogo.png

 今月のこのコーナーではドリームズヴィルのお薦め作品3タイトルと、先頃行われたデイジーワールド・ディスクのイベントの模様をお伝えします。まずドリームズヴィル関係では、元デラニー&ボニーのデラニー・ブラムレットが89年に録音しながら未発表だったスワンプ・ロック・ファンには待望の幻のアルバムや、まもなく公開される映画『奇跡の歌』挿入歌としても使用されている曲を含む、ケニー・ヴァンスの88年の名盤のリイシュー、そして元ブレッドの中心メンバー、ジェイムス・グリフィンの74年のソロ・アルバムの世界初CD化と目白押し。そしてデイジーワールドは…詳しくは↓にて。それでは最後までごゆっくりお読み下さい。

Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2002年4月25日号)

デラニー・ブラムレット
『スイート・インスピレイション』
デラニー・ブラムレット-J.jpg




CD
ドリームズヴィル
YDCD-0081
発売中
¥2,500

夫婦デュオ"デラニー&ボニー"で活躍後、ソロとして89年に録音しながら未発表だった本作が遂にCD化!もちろん世界初発売。ボーナス・トラック4曲を含む全14曲中、何といっても聴きものなのがM-5「Let It Rain」。これはデラニー・ブラムレットとエリック・クラプトンの共作で、クラプトンにスワンプ・ロック的な影響を与えたことでも知られる、デラニーらしい名曲だ。

ケニー・ヴァンス
『ショート・ヴァケイション』
ケニー・ヴァンス-J.jpg




CD
ドリームズヴィル
YDCD-0080
発売中
¥2,500

ゴールデン・ウィークに公開となる映画『奇跡の歌』で早くも話題のケニー・ヴァンスだが、本作は88年に発表された2ndソロ・アルバムにボーナス・トラック2曲(未発表曲)を追加したもの。N.Y.の名うてのミュージシャンを総動員し制作された本作には、ジェリー・バトラーやサム・クック、エルヴィス・プレスリー、エヴァリー・ブラザーズなどの興味深いカヴァーや、『奇跡の歌』挿入歌の「Touch Will Tell」も収録。

ジェイムス・グリフィン
『ブレイキン・アップ・イズ・イージー』
ジェイムス・グリフィン-J.jpg




CD
ドリームズヴィル
YDCD-0078
発売中
¥2,500

デヴィッド・ゲイツと並びブレッドの中心メンバーとして活躍後の74年に発表した、ソロ・アルバム。もちろん世界初CD化!後にザ・バンドのリチャード・マニュエルによってカヴァーされた「She Knows」をはじめ、美しい楽曲が目白押し。ソングライターとしての彼の才能を改めて発見できる充実した1枚だ。ブレッドの初期メンバーであるロブ・ロイヤーをはじめ、ラリー・ネクテルやマイク・ボッツといった元ブレッド組も参加。

 さて"daisyworld discs"レーベルがcutting edgeに移籍したことに伴い、3月7日に東京・広尾の羽澤ガーデンにて、今後のリリース予定のお披露目を兼ねたコンベンションが行われました。このイベントはマスコミや業界関係者のみに公開されたスペシャル・コンベンションであり、残念ながら一般ファンは入場できませんでしたが、この催しを通してこれからの"daisyworld discs"の活動の方向性が感じられる興味深い内容でありましたので、このコーナーを通じて簡単にご紹介したいと思います。
 この日はこれからの"daisyworld discs"の中核を成すアーティストが集まり、トークやミニ・ライヴを繰り広げたお披露目イベント。その先陣を切って登場したのは、新作『JUMP FOR JOY』を発表しこれからの更なる活躍が期待されるワールドスタンダードでした。現在では鈴木惣一朗氏のソロ・ユニット的な括りで語られることが多いワールドスタンダードですが、この日はアルバムのレコーディングに参加したノアルイズ・マーロン・タイツのメンバーらを引き連れての大人数での演奏。細野晴臣作品でありアルバム収録曲の「LOTUS LOVE」を、生弦を中心とした編成でじっくり聴かせ、場内を沸かせます。その後、これから"daisyworld discs"から新作を発表する予定のアーティスト(高木正勝、Gutevolk)による演奏や、以前から同レーベルで活動してきたVagabond c.p.a.岡田崇氏などの挨拶を挟んで、いよいよ細野晴臣氏+高橋幸宏氏による新バンド"Sketch Show"が登場。この日はトークのみでしたが、かつてYMOで活躍したこの2人が並んでの登場によって、場内は最高潮に。なお発売中の『HARUOMI HOSONO presents Strange Flowers』にはなんと彼らによる「GOKIGEN IKAGA 1・2・3」が収録されているので、ファンは要チェックです!そして最後に登場したのが、常に"daisyworld discs"を彩ってきたコシミハル氏。この日も生のピアノをバックに、「アヴェ・マリア」など3曲をじっくり聴かせてくれました。
 常に時代の1歩前を行き、そこに様々な斬新なアイディアと音楽的な裏付けを持ってJ-POPSシーンをリードしてきた細野晴臣氏。このイベントを見て一層、彼ら"daisyworld discs"の今後の動きに対する期待が高まったのは言うまでもありませんが、何より音楽を楽しんでいる彼らの姿を見ながらちょっと幸せを分けてもらったような気持ちになった、そんなコンベンションでもありました。これからの"daisyworld discs"からは、目が離せませんね。

V.A.
『HARUOMI HOSONO presents Strange Flowers』
Strange Flowers-J.jpg



CD
daisyworld discs/cutting edge
CTCR-14214
発売中
¥2,913

遂に再始動!細野晴臣さんの"daisyworld discs"レーベルがcutting edgeに移籍し、リリースを再開。第1弾はレーベル・サンプラー的性格も持つコンピ。細野晴臣、Tin Pan、ワールドスタンダード、コシミハルなどdaisyworld所属の錚々たる顔ぶれが揃った豪華内容で、特に細野晴臣+高橋幸宏の新バンドである"Sketch Show"の新録音源「GOKIGEN IKAGA 1・2・3」(あのスネークマンショーのカヴァー)は大注目!

ワールドスタンダード
JUMP FOR JOY
ワールドスタンダード-J.jpg



CD
daisyworld discs/cutting edge
CTCR-14213
発売中
¥2,913

鈴木惣一朗のワールドスタンダードが、2年振りとなる新作を発表。ディスカヴァー・アメリカ・シリーズの3作目であり完結編となる本作は、彼がずっと追い求めてきた古き良きアメリカン・ルーツ・ミュージックを今の音楽的手法で再構築し、アコースティックと音響派サウンドが融合した興味深い内容。ノアルイズ・マーロン・タイツや、福岡史朗、イノトモらも参加。

inserted by FC2 system