平井 堅

ARTIST PICK UP

平井 堅

ベイビーフェイス・プロデュースの前作から一変、
ニュー・マキシ・シングル「Strawberry Sex」はファンクでポップな軽快ダンス・チューン。
"新しい" "ドキドキ"が詰まったこの曲で夏を感じて!

(初出『Groovin'』2002年5月25日号)

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 平井 堅の新曲「Strawberry Sex」は、桜咲く小春日和から、風を感じる爽やかな初夏への移り変わりの時期にピッタリな曲。タイトルこそファンクな感じがするけれど、歌詞にもメロディーにも平井 堅らしさが見え隠れするナンバーです。前作「Missin' you〜It will break my heart〜」では、ベイビーフェイス・プロデュースにより完成されたバラードをしっとりと歌い聴かせてくれました。彼が世に出たきっかけとも言える「楽園」から2年余りが経ち、ヴォーカリスト平井 堅の世界が確立された作品だと言えます。昨年「KISS OF LIFE」のヒットを機に彼を好きになった人もいるでしょう。その人達にとっては「Missin' you〜It will break my heart〜」は少し静かすぎる曲だったかもしれません。でも、彼がバラードやポップス、R&Bなど、ひとつの型にはまることなく歌い続けてきたアーティストであったことは確かであり、きっとそこに魅了されていた人も多いのだと思います。
 そして、新たな平井 堅を待っていた人には、今回のシングル「Strawberry Sex」はたまらない作品でしょう。彼の歌にはあまり季節を感じさせる言葉は出てきません。でも、目をつぶると浮かんでくるんですよね。その曲に合った季節や景色が。音楽は好きなように聴くのが私流ですが、例えば、とっても落ち込んでいる時に何を聴きたいか?と言うと、もっと落ち込んでしまえっていうくらいの悲しい歌。無理に元気を出そうとするくらいなら、悲しい歌詞に同調して泣いてしまった方がすっきりする。逆に嬉しくてたまらない時には、大声で歌いたくなるような楽しい歌を。そんなふうに、歌って人の心にあっという間に入り込んでくるので、音楽っていうのは本当に生活に欠かせないものだと実感するのです。
 「Strawberry Sex」を聴いていると、爽やかな風を感じます。どこにもそんな言葉は使われていないんですけどね。「あー、もうすぐ気持ちのいい季節がやってくる!」って、ちょっと楽しくなったりして…。カップリングの「ex-girlfriend」は、ファンクの匂いを微かに残したコンテンポラリーなR&B。簡単に言っちゃえば洋楽っぽい(笑)。じっくりと聴くのもいいけれど、BGMとしてサラッと流しながら聴くのもお洒落かな。3曲目は「Missin' you〜It will break my heart〜」のリミックス・ヴァージョン。マリンバのあたたかい音色がメロディーを静かに運んでくれているようで、シングルとは全く違った印象に仕上がっています。バラードという枠から飛び出した温かみのある1曲、おすすめです。
 今回のマキシ・シングルは、まるでミニ・アルバムでも聴いてるかのように内容が豊富。平井 堅の今年の活動方針は、"新しいことに挑戦する、人をドキドキさせ、自分自身もドキドキできることをやる"だそうです。確かにその言葉通り、"新しい" "ドキドキ"が詰まった1枚なんじゃないかなぁと思います。

Text by 知久裕乃(磐田店)

『Strawberry Sex』
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Maxi Single
DefSTAR RECORDS
DFCL-1071
¥1,165(税抜)
発売中

ベイビーフェイスがプロデュースした前作「Missin' you〜It will break my heart〜」とはうって変わって、軽快なダンス・チューンに仕上がった今作。初夏にぴったりなファンク・テイストのナンバーで、すぐそこまで近づいた夏を感じてみて。

【平井 堅 official web site】http://www.kenhirai.net/

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