中川晃教

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中川晃教

今年の夏のテーマ・ソングになること間違いなし!
中川晃教の3rdマキシ・シングル「White Shiny Street」は、
弾けたメロディとうねるリズムが刺激的なレトロ・フューチャー・ポップ!

(初出『Groovin'』2002年5月25日号)

中川晃教-A.jpg 私は10代のころ、訳あってアメリカ人と接する機会が多かったのだが、彼らにとって日本の夏は耐えられないぐらい不快なものらしい。いつもは陽気におしゃべりをしている彼らが、その季節になると本当に憂鬱な顔をして「Hot&humid!」(ムシ暑い)と呟く。気温自体は大した差はないのだが、向こうに比べると日本は湿度が異常に高いらしい。アメリカの夏はカラッとしていて、暑さは決して不快ではないのだという。
 さて、ぐんぐん上がっていく気温に早くもうんざりしている人も多いなか、絶好のタイミングで発売されるのが、中川晃教の3rdマキシ・シングル「White Shiny Street」。この曲、アップテンポでダンサブルな曲調といい、歌詞といい、テーマが夏なのは一聴瞭然なのだが、私は直感的に「ああ、これは日本の夏じゃないな」と思った。聴覚から感じる湿度が低く、しめっぽい感じが全くない。楽曲自体が持つ温度、つまりテンションは異常に高いのだが、とても心地よい空気が流れているのだ。80'sを連想させるキャッチーなメロディとコーラス、キラキラしたシンセ音、ベース・ラインの弾けたグルーヴ感、近未来的な効果音などなど、時代性を感じさせる様々な要素が合わさった今作は、まさにレトロ・フューチャー・ポップ!懐かしさと新しさが同居した場所から発生したニュータイプのサウンドだ。
 前作、前々作シングルからバラードのイメージが強く残っている人は、この曲で彼が見せた一面に驚いてしまうかもしれないが、1stアルバムでの多様な音楽性を考えれば、この屈託のないポップ感が計算し尽くされたものだと理解できるだろう。また、定評のあるヴォーカリゼーションについても今作は少し違ったアプローチがなされている。もちろんしっとりと歌い上げるヴォーカルも良いが、こんなふうにメロディの上をポンポン飛び跳ねるような軽快なヴォーカルも十分魅力的だし、彼の歌声の特徴である綺麗な高音部を活かすことで、決して下世話にならない、良い意味で突き抜けたポップ感が出ているのだと思う。
 思わず体が動いてしまうリズムは、これからの季節を盛り上げること必至。暑さを思いっきり楽しんでしまえるような今作で、いつもと違った夏を演出してみては?

Text by 鮎川夕子(編集部)

『White Shiny Street』
中川晃教-J.jpg



Maxi single
徳間ジャパン
TKCA-72312
¥1,200(税抜)
5月29日発売

1stアルバムで独特の世界観と完成度の高さを見せた、シンガー・ソングライター中川晃教のニュー・シングル。日本に初上陸するアクセサリー・ブランド、White Trash CharmsのCMソングとしてオンエア中。

【中川晃教 OFFICIAL SITE】http://www.akinori.info/

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