GRAPEVINE

リーダー西原誠復活！でリスタートを切ったGRAPEVINE。
前作「風待ち」以来、約11ヵ月振りのニュー・シングル「ナツノヒカリ」をリリース。
ライヴ・ビデオ＆DVDも同時発売！

（初出『Groovin'』2002年6月25日号）

　いよいよGRAPEVINEがニュー・シングル「ナツノヒカリ」を発売する。この曲はリーダー西原の復帰前にレコーディングされたもの。これまでにないポップなラヴ・ソングに仕上がっている。リヴァーヴがかった西川のギターの音色と綺麗なメロディーに、ヴォーカル田中が過去の夏の恋を回想する歌詞をのせている。「坂道で仲なおりしたのは夏だったっけ」そんな飾らない言葉がシンプルに伝わってくる。
　GRAPEVINEの名曲と言えば、「スロウ」を挙げる人が多いだろう。Aメロのトリッキーなコード進行なんて何度聴いても鳥肌がたってしまう。個人的には、重くて切ない感じのするバイン・サウンドが好きだが、4thアルバム『Circulator』あたりから特に目立ってきたサウンドの広がりようには本当に感嘆させられる。今回の「ナツノヒカリ」もそんな彼らの新機軸となりうるナンバーだ。
　また、カップリングに収録された「R&R二アラズ」は、"R&Rにあらず"と言っておきながらとてもR&Rな感じ。私はこの軽快なロック・ナンバーに、ちょっと奥田民生のサウンドを思い出してしまったのだが…。実は昨年末、民生のライヴでバインのメンバー3人をお見かけした。噂では、民生のツアーに田中（Vo.）がゲスト参加し、2人で「ロボッチ」をアコースティックで歌ったりと、交遊があるらしい。またバインのプロデューサーである、Dr.Strange Loveの根岸さんが民生のバック・バンドでベースを弾いている事もあって、少しは影響あるのではないか？と勝手に思ったりしているが、個人的には大歓迎である。そんな訳で、カップリングも是非おすすめしたい！
　そしてこのシングルがリリースされると、もうナツはすぐそこ。祭に花火、海水浴…想像だけでもワクワクする。そんな楽しい夏に、音楽ファンには外せないさらに楽しいイベント…と言ったら野外フェスである。チケットはもう取りましたか？暑くても、遠くても、チケットが高くても、行ったら楽しいだろうなぁ〜（遠い目）などと考えていた矢先、ROCK IN JAPAN FESの8月11日にバインの出演が決定！この夏のアツイ野外で、彼らのアツさも感じてほしい。
　そして今回、GRAPEVINE初となるライヴ・ビデオ＆DVDが同時リリースとなっている。2月20日にリリースしたライヴCDには限定盤のみDVD（5曲収録）が付いていたが、この限定盤DVDには収録されなかったライヴ・パフォーマンスが全17曲収録された、まさにファンが待ち望んでいたアイテムだ。ライヴ・バンドとしての実力を充分発揮した、昨年の「WHITEWOODツアー」12月6日Zepp Tokyoのライヴのほぼ全容を見ることができるのである。余談だが、私12月5日にそのライヴに行っていた…（涙）。とにかくこの夏は、GRAPEVINEを聴いて、見て、下さい！

Text by 田村美紀（吉原ユニー店）