ハルフォード

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ハルフォード

これぞヘヴィ・メタル。まさにヘヴィ・メタル。
メタル界を震撼させたデビュー・アルバムから2年の時を経て、
遂に待望の2ndアルバムが完成。

(初出『Groovin'』2002年6月25日号)

 待望のハルフォードの新作が遂に発売された。今作もファンの期待を裏切らない傑作になっている。かつてロブ・ハルフォードが在籍し、メタル界の神として君臨したジューダス・プリースト。彼らが90年に世に送り出した『ペインキラー』は、メタル・ファンだけでなく音楽ファンに強い衝撃を与えた名作であった。しかし、ロブはそのアルバムの成功に留まらず、さらにアグレッシヴな作品を作りたいとの考えから他のメンバーと対立し、ジューダスを離脱してしまう。その後、新たな表現方法を模索し続けるロブ、カリスマを失ったジューダス、メタル・ゴッド不在のメタル・シーンに戸惑うファン、全てが長い混迷の時代を送ることになる。しかし2000年、ジューダスとの和解を経て、ロブはヘヴィ・メタルへの復帰を決意する。そして発表されたハルフォードの1stアルバムは、ロブのヴォーカルが炸裂した傑作となり、日本でも6万枚のセールスを記録するヒットとなった。
 そして、遂に発売されるこの2ndアルバムは、更に充実した内容となっている。ロブは今作についてのコメントで「『レザレクション・パート2』を作るつもりはなかった。それは楽な方法だが、それでは人々はがっかりしてしまう」と語っている。一瞬、ファイトやトゥーが頭をよぎる発言だが、続けてこう語っている「自分はロブ・ハルフォード=メタル・ゴッドだと証明したかった」と。この言葉をファンは待っていた。一安心だ。前作がメタルの原点回帰を目指した作品であるのに対し、今作はロブの言葉通り、原点に戻ったうえでの進化を感じさせる。ハイトーンのシャウトが冴え渡る高速チューンから、ヘヴィでグルーヴィーな楽曲まで、前作よりヴァラエティーに富んだ内容に仕上がっている。個人的には「Crucible」や「Betrayal」がお勧めだが、他の曲も随所に強靭なバッキング、そして天賦の才能といえるロブのヴォーカル・パフォーマンスが詰め込まれていて、どこから聴いてもヘヴィ・メタルを堪能できるだろう。
 メタル・ゴッドは姿を変えても、その圧倒的な存在感は不変であった。誰もがそう感じる作品だ。

Text by 市川高歩(上永谷店)

『クルーシブル』
ハルフォード-J.jpg




CD
ビクターエンタテインメント
VICP-61852
¥2,400(税抜)
発売中

前作に続き、プロデューサーはロイ・Z。詞の内容も前作より広い視野を持ち、世界で起こる様々な出来事について綴られたもの。進化を続けるメタルの神は何を世に問うのか。日本盤にはボーナス・トラック2曲を収録。

【ハルフォード 日本オフィシャルサイト】
(ビクター)http://www.jvcmusic.co.jp/halford/
(ソニー)http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/halford/

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