akiko

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akiko

デビュー以来、ジャズ・ファンの話題を独占してきたakiko。
待望の新作は、タイトル通り"HIP"で"POP"な
akiko流ジャズがぎっしり詰まった話題作!

(初出『Groovin'』2002年6月25日号)

 "akiko"というジャズ・シンガーがデビューする、と聞いてすぐに試聴させてもらったのが、ちょうど1年前に発売されたファースト・アルバム『ガール・トーク』だった。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」や「枯葉」など、お馴染みのスタンダードが並ぶ作品であったにも関わらず、何か特別な"新鮮さ"を感じたのを覚えている。今回新作を聴くにあたって久しぶりにその1stアルバムを聴き直してみて、"なるほど…"と思った。何が"なるほど"かと言うと、このアルバムで私を驚かせたその素晴らしいジャズ・フィーリングが、彼女の持つ才能の一部分に過ぎなかったという事。その後リリースされたミニ・アルバム『アップストリーム』や、スウィング・アウト・シスターのプロデュースによるマキシ・シングル「ウォーターズ・オブ・マーチ」(今回のアルバムにも収録)を聴いていると、様々な雰囲気を持った楽曲が彼女の才能を引き出しているというよりも、むしろどんな曲でも"akiko色"に染めてしまうような、もっともっと大きな何かを感じるのである。特に『アップストリーム』でみられるように、R&Bやクラブ・テイストを上手く取り入れ、斬新なサウンドに仕上げてしまうあたりはさすが!である。
 という訳で、akikoの最新作『hip pop bop』。ここでもやはり彼女の持つ才能に驚かされる。まずは"ガンズ・アンド・ローゼズ"。「?」と思った人もいるでしょう。実は「パラダイス・シティ」をオルガン・トリオでカヴァー。これカッコイイよ、ホントに。渋いし。ブラック・ミュージックだけでなく、ロック/パンクまでもを音楽的ルーツに持っているのが彼女の凄いところ。また、本人が書き下ろした「ブルース No.8」(8曲目に収録だからか?)は、フェンダー・ローズとのデュエットで歌われ、今までにない渋さを感じる事のできる楽曲だ。他にも最近ドラマ主題歌としてエルヴィス・コステロのヴァージョンが話題となった「スマイル」も彼女流にアレンジ、と聴きどころ満載。
 『hip pop bop』というタイトル通りの、ジャズからブルース、ファンクまでといった幅広い音楽性と、フレッシュな感性を持つakikoの魅力がぎっしり詰まっている。まさにHIPでPOPなakiko流ジャズの決定盤!

Text by 堀尾康弘(東越谷店)

『hip pop bop』
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CD
ユニバーサル ジャズ
UCCJ-2017
¥2,857(税抜)
6月26日発売

昨年6月に名門ジャズ・レーベルVerve初の日本人女性シンガーとしてデビュー。常に進化し続ける彼女の才能はとどまるところを知らない。JAZZというジャンルに収まりきらないakikoの魅力満載の新作は絶対に買い!ほんと、オススメですよ。

【akiko official web site】http://www.nwp.co.jp/akiko/main.html

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