エアロスミス

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エアロスミス

結成31周年!四半世紀を超える歴史を経て、頂点へと昇りつめたロック界の王者エアロスミス。
歴史的イベントW杯オフィシャル・コンサートでの来日に合わせて、
レーベルの枠を越えた究極のベスト盤をリリース!

(初出『Groovin'』2002年6月25日号)

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 1970年の夏。ニュー・ハンプシャー州サナピー湖畔のアイスクリーム屋で、アルバイト従業員だったジョー・ペリーと常連客だったスティーヴン・タイラーが声を交わす。2人はすぐに意気投合し、その年のうちにエアロスミスを結成する。そのころ私はまだこの世に存在していない。そして73年1月、アルバム『エアロスミス』でデビュー。「ドリーム・オン」や「ママ・キン」などの"エアロ・クラシック"と呼ばれる名曲が収録された名盤だ。そのころ私はまだ母のおなかの中。私がようやく「エアロスミス」の名前を知ったのが89年。当時ガンズ・アンド・ローゼスが「ママ・キン」をカヴァーしていたことからその存在を知り、93年発表の『ゲット・ア・グリップ』で初めて彼らのアルバムを手にした時には、エアロスミスはすでにキャリア20年の大ベテラン・バンド。私が知っているのは彼らの歴史のほんの一部でしかない。これまでに13枚オリジナル・アルバムをリリースし、その売上げ枚数は1億枚以上。そんな輝かしい歴史を持つ彼らだが、結成31周年を迎えた現在でも限界を見せず、上昇を続けている。
 そしてついに、彼らの歴史を総括するための"完全なる"ベスト・アルバム『Ultimate Hits(仮)』が完成した!今までに何枚かベスト盤をリリースしている彼らだが、発表されたすべてのアルバムの中から選曲したベストはこれが初めて。レーベルの枠を越えて制作された今作は、まさに"完全なる"ベスト盤だと言えよう。現在のライヴでもおなじみのアノ曲もコノ曲もみ〜んなこの1枚に入っているのだから、これはもう"一家に一枚"である。
 さらに新曲が2曲と、日本盤にはボーナス・トラックが収録されるので、過去のベスト盤を持っているファンも要チェック!それでは今までベストに未収録だった曲を紹介させていただこう。『ナイン・ライブス』からは「ピンク」と「フォーリング・イン・ラブ」の2曲。シングル曲2曲の選曲は妥当なところですが、個人的には「ナイン・ライヴズ」なんかも入れて欲しかったなぁ…。最新アルバムからは「ジャスト・プッシュ・プレイ」と「ジェイディッド」。「ジャスト・プッシュ・プレイ」はサビの部分がオンエア上問題ありとされて音をかぶせたという、オリジナルとは別ヴァージョンが収録されている。そして、今までエアロを知らなかった人でもこれだけは知っているであろう、大ヒット曲「ミス・ア・シング」ももちろん入っている。
 さて気になる新曲の方はというと、「ガールズ・オブ・サマー」は「ジェイディッド」を彷彿とさせるような、ミドル・テンポで夏にぴったりの爽快なロック・ナンバー。他の曲はCDを買ってのお楽しみということで…。
 また本作のリリースに合わせたかのように6/27には、アジアで初めて、そして21世紀最初の開催となる大会、2002 FIFA World Cup Korea/Japan TMを記念し、ワールドカップ史上初の試みとなるオフィシャル・コンサートが東京スタジアムを舞台に開催される。そのステージでB'zと共に1曲披露するとも噂されている。このコンサートを見てエアロを知る人にもうってつけの、本当に非の打ち所のないベスト・アルバムだ。過去にリリースされたベスト盤を持っている人も、こちらに買い換えることをおすすめしたい。お世辞ではなく素晴らしい選曲になっているし、まさに「究極」と呼ぶにふさわしいベスト・アルバムだ。

Text by 矢部信之(市原東五所店)

『Ultimate Aerosmith Hits』
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CD(2枚組)
Sony Records Int'l
SICP-170〜1
¥3,600(税抜)
6月26日発売予定

結成から31年を経た今も破竹の勢いで突き進む王者エアロスミスの、デビュー作から現在までの楽曲をレーベルの枠を越えて収録した、初のオールタイム・ベスト。「ガールズ・オブ・サマー」他、新曲2曲を含む全30曲には誰もが納得。さらに日本盤は「テーマ・フロム・スパイダーマン」他、4曲のボーナス・トラックを収録した全34曲というヴォリューム。

【エアロスミス 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/Aerosmith/

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