RIP SLYME

SPECIAL SELECTION

RIP SLYME

今一番アツイ5人組が待望のセカンド・アルバムを完成させた!
夏という季節感をフルに満載した、リゾート御用達アルバム『TOKYO CLASSIC』
RIP SLYME流の夏サウンド満載!

(初出『Groovin'』2002年7月25日号)

RIP SLYME-A.jpg 僕の中で夏に聴く音楽といえば、数年前までは、ビーチ・ボーイズやイーグルス、オーリアンズ(古いか)などの流麗なコーラスばっちりのアメリカン・バンドによるものが定番化していた。しかしここ数年、ウォーレンGやコモンなどのヒップ・ホップ系アーティストのアルバムが、僕のカーステレオのCDプレイヤーを専有する機会がぐっと増えた。もちろん彼らのライムの内容を、夏という季節に当てはめて聴くことのできる英語力は残念ながら持ち合わせていないので、あくまでもサウンド重視ということになる。しかし、特にウエストコースト出身のラッパーが作るトラックはその心地よさが素晴らしく、日本人が夏に抱く刹那的な開放感と見事にマッチングするのだ。
 そしてこの夏リリースされるRIP SLYME待望のセカンド・アルバム『TOKYO CLASSIC』は、短く蒸し暑い日本の夏を見事に常夏のパラダイスに変えてしまう、そんな魔法のCDになること請け合いだ。クラブの薄暗い照明の中で聴くのではなく、ぜひ、活性酸素を生み出してしまう、ちょっと危険な紫外線の下で聴いてほしい。このアルバムを日焼け止めと一緒に携帯すれば、W杯での韓国サポーターのように高揚できること間違いなしである。
 先行シングルとしてリリースされた「楽園ベイベー」で聴くことの出来るブラジリアン・フレイヴァーが、このアルバムには随所にちりばめられている。FUMIYAが創るバック・トラックは見事にパラダイス仕様になっていて、心地よさというキーワードで括られたサウンドがぎっしり詰まっている。 ボッサやサンバなどを巧みに取り入れたトラックと、RYO-Z、PES、SU、ILMARIの4MCが奏でるライム・ハーモニーが織り成すサウンド・タペストリーは抜群の仕上がりになっている。例えば「By The Way」での絶妙な掛け合いや、ラテン・フィーリング満載の「TOKYO CLASSIC」、RYO-Zがソロを取るアーシーなブルース・ナンバー「Mannish Boy」、ジャジーでスリリングなアルバム中最高の疾走トラック「奇跡の森」、フィル・アップチャーチ風のギター・カッティングがリゾート気分を煽る「Bring your style」、そして切ないミディアム・バラード・チューン「花火」など、他のヒップホップ・アーティストとは一線を画した、夏という季節をRIP SLYME風にパッケージングしたパラダイス・ヒップ・ホップ・アルバムになっている。このアルバムを携えて出かければ、きっと夏が終わった後も、その余韻とこのCDとが溶け合って、ずっと夏の想い出達を綴っていってくれることだろう。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『TOKYO CLASSIC』
RIP SLYME-J.jpg




CD
ワーナーミュージック・ジャパン
WPC7-10147
¥2,800(税抜)
発売中

ブラジリアン・ミュージックのエッセンスが随所にちりばめられたRIP SLYME流パラダイス・ヒップホップ・アルバムが完成。この夏を爽やかに高揚させてくれるサマー・ポップ・チューンがぎっしり詰まっている。大ヒット・シングル「One」「FUNKASTIC」も収録!

【RIP SLYME OFFICIAL HP】http://www.ripslyme.com/

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