DELiGHTED MINT

カメルーン＋イタリア＋日本の多国籍ユニットが、
夏に向けて放つ最新型ミサイル！
それはクールなRAPが心地よい真夏の夜の必殺ソウル・ナンバー。

（初出『Groovin'』2002年7月25日号）

　DELiGHTED MINTを最初に意識したのは確か「テキトーな奴ら〜Why can't we be friends？」を聴いてからだと思う。ラジオで聴いてそのキャッチーなサビがいつまでも印象に残っていた。オリジナルはL.A.出身のファンク・グループ、WARの75年のトップ10ヒット「Why can't we be friends？」だが、DELiGHTED MINTは原曲のレゲエのリズムに、自分たちのメッセージをうまくラップでのせていて、とにかく楽しいトラックにリメイクしている。
　次に意識したのは、日曜日の夕方に「ちびまる子ちゃん」を観ていた時。何やらエンディング・テーマがとてもハッピーな曲で気になっていたら、これまたDELiGHTED MINTの「休日の歌（Viva La Vida）」という曲だった。この「ちびまる子ちゃん」のエンディング枠というのは、大滝詠一がプロデュースした植木等の曲や、西城秀樹、KinKi Kidsなどが担当してきた、いわば反響必至の話題枠である。当然の結果として、朝礼で同曲をかけて踊る幼稚園が続出したという（笑）微笑ましいエピソードを生んだらしい。
さて上記の2曲も収録されたベスト盤を今年2月に発表して、インディーズ時代からの第1期に区切りをつけた彼らが、待望のニュー・シングル『SUMMER RECOMMENDED EP〜HEAT〜』をリリースした。前作「休日の歌（Viva La Vida）」とはガラッと変わり、ロジャーで有名なボコーダーを使用したソウルマナー溢れるクールなトラックだ。まるでアイズレー・ブラザーズがカヴァーした「Summer Breeze」のようなサマー・ソウル・クラシックの趣。ぜひとも湿った海風に吹かれながら夜の浜辺で聴きたい。
次から次へと様々な変化球で楽しませてくれるDELiGHTED MINT。その音楽性の幅は多国籍ユニットゆえのミクスチャー感覚が自然と出た結果なのだろう。今後もHIP HOP界だけでなくジャンルにとらわれない大きな舞台で活躍して欲しいと思う。

Text by 高瀬康一（編集部）