小曽根 真

ARTIST PICK UP

小曽根 真

デビュー20周年、ヴァーヴ移籍後10作目となる新作は、
チック・コリア、マイケル・ブレッカーなど、世界的なマスター達をゲストに迎えての
夢のスペシャル・アルバム!

(初出『Groovin'』2002年7月25日号)

 人気のFM番組「OZ MEETS JAZZ」やアサヒ黒生ビールのCMと聞いてピンとくる人も多いだろう。特に自ら出演した前出のCMでのボズ・スキャッグスのヒット曲「ウィ−・ア−・オール・アローン」の美しいピアノは大きな話題を集めた。今や名実共に"世界のオゾネ"としてワールドワイドに活躍するナンバーワン・ピアニスト、小曽根 真。彼が世界の名手たちとの贅沢な共演をした久々のオールスター・アルバムをリリースする。
 デビュー20周年、ヴァーヴ移籍後10作目となる今作で注目すべき点は何と言ってもチック・コリア、マイケル・ブレッカー、ゲイリー・バートン、ジョン・ヘンドリックスといったビッグ・ネームをゲストに迎えている事。曲目、共演相手によりソロ、デュオ、トリオ、カルテットと編成を変えていて、いろいろな角度からピアニスト、小曽根の魅力を存分に楽しめる。
 ソロは3曲収録されている。ダイナミックなラテン・ナンバーと、しっとりとしたバラードが2曲。同じバラードとは言っても、「オンリー・ウィ−・ノウ」がジャズ的な雰囲気であるのに対し、「マーガレット」はクラシック的な要素を強く感じさせる美しい曲で、舞台「20世紀」の為に書き下ろし、今回初レコーディングされたもの。小曽根は最近では新日本フィルハーモニー交響楽団との共演もあり、クラシックでも活躍している。
 また、「スリーウィッシズ」では、小曽根、クラレンス・ペン、ジェームス・ジナス、というお馴染みのトリオにマイケル・ブレッカーが加わり、パワフルで壮絶なバトルが楽しめる。マイケルのサックス・ソロに全くひけを取らないピアノ・ソロもさすがの一言。一方、「ホエア・ドゥ・ウィ−・ゴー・フロム・ヒア」はピアノとサックスだけによるバラード。アルバム・クロージングに相応しい、心に染み入るような名演だ。チック・コリア、ゲイリー・バートン、ジョン・ヘンドリックスもそれぞれ2曲に参加している。
 今やジャズ界にとどまらず、クラシックや舞台音楽にまでその才能を発揮している小曽根 真。今後どんな活躍を見せてくれるのかとても楽しみだが、その前に今の彼の魅力がぎっしり詰まったこの『トレジャー』で、その魅力を十分堪能してみてはどうだろう。

Text by 堀尾康弘(東越谷店)

『トレジャー』
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CD
ユニバーサル ジャズ
UCCJ-2020
¥2,857(税抜)
発売中

97年以来続けてきた"The Trio"から視点を変え、今作では今までの音楽活動で出会った素晴らしいミュージシャンの中から、チック・コリア、ゲイリー・バートン、マイケル・ブレッカー、ジョン・ヘンドリックスという4人のビッグ・ネームを迎えたスペシャル・アルバム!

【小曽根 真 公式サイト】http://www.makotoozone.com/

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