GOING UNDER GROUND

ARTIST PICK UP

GOING UNDER GROUND

胸の奥にある、青春の甘酸っぱい記憶を呼び起こしてくれる類い希なバンド、
GOING UNDER GROUND。彼らの約1年振りのアルバムが遂に完成!
今年の秋は(も?)GOINGに浸りましょう。

(初出『Groovin'』2002年8月25日号)

 "リアリティのない言葉はすべてNG"という松本素生(Vo.&G.)が作り出すセンチメンタルな世界。そして松本に比べるとやや文学的な河野丈洋(Dr)の世界。この2人のメイン・ソングライターが核となり、ピュアな歌を次々に生み出しているGOING UNDER GROUND。昨年10月に出たメジャー1stアルバム『かよわきエナジー』が超ロング・ヒットを記録、この春行われたツアーはどこも大盛況と、実力、知名度ともに急上昇中の彼らが、待望の2ndアルバムを完成させた。
 そんな彼らの音楽の中で重要な位置を占めるのが、松本素生のヴォーカルだろう。本人は自らを上手いヴォーカリストではないと言っていたことがある。もちろん謙遜もあるだろう。しかし歌に必要なのは上手さではない。歌が聴き手にどれだけ伝わるかである。どんなに上手いヴォーカリストでもそこから何も感じるものがなければ意味がない。時に叫び、時に優しく語り掛けるような直情的なヴォーカル・スタイルを持つ彼の声は、"伝わる"という意味ではトップ・クラスだろう。一度聴いたら最後、まず気になって仕方なくなる。そんな彼等だから、対バン形式のライヴの後や、歌番組に出た翌日なんかのBBS(インターネット上の掲示板)にはものすごい反響があるという。その事実こそが、今のこの説明を裏付ける何よりの証拠だ。
 さて、この2ndアルバム『ホーム』だが、現在手元にあるのは収録曲11曲の中の5曲。その楽曲を聴いてどんなアルバムになっているのか考察してみたいと思う。まず、4thシングルとなった「ランブル」。それまでのシングルで続いていた切なさ疾走路線から「疾走」を取った、このアルバムの1曲としてふさわしい手触りの曲になっている。さらにドラマティックさをあえて取り払い、非常にシンプルに仕上げてるいるのも印象的。「ミラージュ」は3rdシングル。まさに切なさ疾走系のGOINGの直球かつ王道ソングだ。途中の「オ〜イエ〜」という叫び、泣きのギター・ソロ等グッときまくる。素晴らしいの一言!「シンドローム」は、静かに入っていき、ガーっとサビで盛り上がる感じがクセになる。ややマイナー調の雰囲気も新鮮。随所で流れるループのようなギターの音が印象的な「kodama」。「タッシ」はシンプルで癒しの要素強し。"ワクワクするのはドキドキしながらハラハラするから 君と僕とで"なんていう、ピュアで甘酸っぱい詩は彼等でなければ歌えまい。
 とりあえず手に入れたこれら5曲には、特に奇をてらったものは1曲もない。名盤だった1stに入っていてもおかしくない楽曲ばかりだ。となると、今作が非常にGOINGらしいアルバムに仕上がってることは間違いなさそうだ。ファンとしては、中沢寛規(G)のヴォーカル曲はあるのか?インストはあるのか?と、細かい疑問というか、期待は多々あるが、全ては9月11日、明らかになる。その日を楽しみに待つことにしよう。

Text by 麦山幸男(木更津桜町店)

『ホーム』
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CD
ビクターエンタテインメント
VICL-60926
¥2,900(税抜)
9月11日発売

昨年10月に出たメジャー1stアルバム『かよわきエナジー』が超ロング・ヒットを記録。ロック・ファンの中では知らないものはいないというところまで登りつめつつある彼等の2ndアルバム。せつなさワールド爆発!初回のみ先行シングル「ランブル」との連動応募ハガキ封入。

【GOING UNDER GROUND official website】http://www.aquamusic.co.jp/going/

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