ROCKING TIME

ARTIST PICK UP

ROCKING TIME

ここにはロックステディのビートに乗った、
ありふれた、だけどやさしい言葉がある。
ROCKING TIME待望のフル・アルバム登場!

(初出『Groovin'』2002年8月25日号)

 今夏、素敵なバンドがオーヴァーグラウンド・シーンに登場した。ROCKING TIMEはスカとレゲエの間に位置する"ロックステディ"というサウンドを中心にした、日本では数少ないバンドだ。一昔前までは日本でレゲエを演るミュージシャンやバンドなんて数える程しか存在しなかったように記憶している。実はロック・バンドが演奏するレゲエっぽい曲が結構自分的には好みだったりするのだが、それらはまだまだ未消化で、スタイルだけを借りてきただけのものが多かったと思う。まぁ細かいことは考えない性質なので、レゲエもスカもロックもブルースも、僕にとっては"気持ちいい音楽"というジャンルになっていたのだが、詳しい背景を知ることは、より深くそのミュージシャンを理解するのに役立つだろう。で、ちょっとお勉強してみようと思う。
 1966年から1968年くらいまでのほんの一瞬だけジャマイカに存在した、このロックステディについて詳しい友人にきいてみると、早いスカのビートが優しくなり、ホーン・ラインが消えて、ベースが4分音符ではなく細かくなったのがロックステディ。そこにラスタ思想やガンジャが加わったのがレゲエで、ロックステディのわかりやすい特徴は雰囲気が甘い音という事だが、レゲエとの明確な違いを言葉で説明するのは難しいので聴きまくるしかないね、とありがたいお言葉をいただいた。なかなか奥が深いな。実際ROCKING TIMEのサウンドは尖った所が無く、ふんわりやわらかな感じで、聴いているだけで優しくのんびりした気分になっていくのが分かる。こういう感じ方が大事なんだろうな。くどくど小難しい事を言わずにビートに体をゆだねてみよう。それが一番正しい音楽の楽しみ方ってもんだ。何よりROCKING TIMEの最大の魅力は、Vo.今野の詩と歌声と、それを最大限に活かす演奏力を持ったメンバーが存在するということで、この魅力に気付いてしまうとレゲエもスカもロックステディもどうでもよくなってしまう。良いバンドってのはそういうもんだ。結論!ROCKING TIMEは良いバンドである。

Text by 富田 聡(宇都宮戸祭店)

『ROCKING TIME』
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CD
トイズファクトリー
TFCC-86111
¥2,667(税抜)
発売中

くどくど小難しい事を言ってみるのは簡単だけど、何かを素直に表現するのってとても難しい。今年の夏はROCKING TIMEのビートに包まれて素敵に、素直に過ごしてみません?レゲエ、スカ、ロックをベースにしたサウンドをどうぞ。スカパラのホーン・セクションも参加。

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