Saya

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Saya

今年の「ジャズ、秋の夜長盤」はこれで決まり!
美人ジャズ・ピアニストSayaのニュー・アルバム『unity』は
ニューオリンズ仕込みの彼女の卓越したセンスが光る珠玉の名盤です。

(初出『Groovin'』2002年9月25日号)

Saya-A.jpg 彼女、写真を見てもわかるとおりの美人。音大で声楽を専攻する傍ら、早稲田大学のSWING &JAZZ CLUBに所属し、後にニューオリンズのロヨラ大学特待生となり、その大学時代には学校代表ピアニストとしてベニー・ゴルソンらと共演したというから凄い!(この間、ソロ作品をひとつリリースしているそうだが、ジャズにうとい私は未聴)もっとも私にとっては、その後のアーロン・ネヴィルのバンドへの参加や、さらにはネヴィル・ブラザーズのキーボード・プレイヤーとしての活躍(彼らのアルバム『ヴァレンス・ストリート』には楽曲提供もしている)の方が興味深い。
 さてアルバムを聴いた第一印象はと言うと、川沿いのオープン・カフェでビール片手にこんな音を聴きたい!につきる。アルバム2曲目に収められているジャズ・スタンダード「マーシー、マーシー、マーシー」のカヴァーを聴けば誰もがそう思うのでは。なぜならそれはSayaが創る音が、私が思うジャズ・ピアノのイメージよりずっと自由で、ライヴ感があり、弾むような感じ(=これはニューオリンズ仕込みか?)だったからかも。
 アルバム・タイトルにもなったオリジナル曲「ユニティ」も素敵。これはドラムン・ベースのリズムを使った曲で、静かなイントロに導かれたあと、ドラムとベース、そしてSayaのピアノが歌うように跳ねる感じが最高。
 他にも是非聴いて頂きたい私のオススメをあげておく。4曲目「イン・マイ・ライフ」、これはビートルズのカヴァー。原曲のイメージを大事にしているのが伝わってきて嬉しい。そしてアルバム・ラストに収録の「ファンキー・ミラクル」。タイトル通りにファンキー。これはネヴィル・ブラザーズ在籍時の経験が生かされているのでは・・・
 いずれにせよ、ジャズは好きだけど、ジャズの何たるかとか、"ウンチク"とは無縁な私のような方にはSayaの多彩な音楽経験が醸成したこのアルバムは「ジャズ、秋の夜長盤」としてぴったりの1枚といえるのではないでしょうか。

Text by 大野裕子(函南店)

『unity』
Saya-J.jpg




CD
ポニーキャニオン
PCCY-30048
¥2,800(税抜)
発売中

ネヴィル・ブラザーズの正式メンバーとして活躍するも、自分のオリジナルの世界を求めてソロ活動を開始したSayaのセカンド・アルバムが早くも登場。ニューオリンズ仕込みのファンキーかつ弾むようなピアノにあわせて思わず踊りだしたくなるような1枚。

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