BBマック

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BBマック

哀愁のメロディと繊細なハーモニーで全世界を魅了した
大ヒット曲「バック・ヒア」から3年。
BBマック、ついに待望のセカンド・アルバムをリリース!

(初出『Groovin'』2002年9月25日号)

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 BBマックは本国イギリス、そしてアメリカより先に日本をはじめとしたアジア各国でデビューを果たした。アイドル的な捉え方をされている"ボーイズ・グループ"の1つとして括られながらも、自ら楽器を演奏し、曲を作るアーティスティックなスタンスと哀愁のメロディ、そして極上のハーモニーが他のグループとは一線を画し、デビュー・シングル「バック・ヒア」がFMを中心に大ヒット。それを受け、1stアルバム『スーナー・オア・レイター』も好セールスを記録した。全世界に先駆けて日本でまず大ブレイクした彼らは、2000年に全米デビュー、2001年に本国イギリスにて凱旋デビューを果たした。
 そして彼らのセカンド・アルバムがついにリリースされた。デビュー・アルバムで素晴しいものを作り、実績を残したアーティストの場合、セカンド・アルバムへの周囲の期待が大きくなるのは当然で…。しかし、結局その期待がプレッシャーとなるのか、デビュー・アルバムを超えられないアーティストは多い。しかし、彼らは違っていたようだ。
 また、彼らのサウンドにはボーイズ・グループというよりはアダルト・コンテンポラリー系アーティストの匂いを感じていたのだが、事実、彼らは全米デビュー後ビルボード誌アダルト・コンテンポラリー・チャート5週連続1位という記録を持っている。余談として、US盤収録の新曲にはジョン・リンド、リチャード・ペイジ、ルイス・コンテ、エイヴ・ラボリエルなどその手のサウンドが好きな人には気になる腕利きミュージシャンや、ソングライターの名がクレジットされている。そのあたりにも注目して聴いてみてほしい。
 さて、その新作『イントゥ・ユア・ヘッド』はUS盤で起用されたロブ・カヴァロ、ガイ・チェンバーズ、リック・ノウェルス、アル・クレイ、スティーヴ・ラローニら、錚々たる豪華プロデューサー陣を起用。また、数曲をオアシスのデビュー・アルバムに深く関わったソングライター・チームREAL PEOPLEと共作している。まずこの時点で、これまでのアコースティックをベースにしたサウンドから、ギター・サウンド、バンド・サウンドっぽいものになっていると想像できるだろう。
 オープニングを飾るのは、アルバムからの1stシングルともなる「Out of My Heart」。アコギのストロークで始まり、ギターの短いフレーズにタイトなリズムが重なると、哀愁をおびたメロディがUKロックなサウンドにのって聴こえてくる。しかし、サビでのあのハーモニーは健在で、バンド・サウンド、ギター・サウンドが強くなってはいるが、やはり芯は変わっていない。「デビュー・アルバムを発表してからの3年間、僕たちは数々の新しい影響を受け、いろいろなジャンルの音楽も幅広く聴いてきて、その経験が確実にこの新作に反映されているんだ。1作目の要素はもちろん残っているけど、サウンド・プロダクションは比べものにならないほど豊かに、エネルギッシュになっているよ」と、メンバーが語っているが、確かにその通りだと思わずうなずいてしまう。そして、UKロックならではといったいい感じの捻くれ具合が最高の「Staring Into Space」、疾走感溢れる「Get You Through The Night」、メランコリーな雰囲気の「Run Away」、アルバムのハイライトともいうべき「The Beginning」など、メロディとハーモニーといったBBマックの魅力と、ギター・サウンドという新たな魅力が融合し、前作よりも明らかにレベルアップしていることが感じ取れる内容になっている。また、日本盤のみのボーナス・トラックとして2曲追加収録されているのも嬉しい。デビューから3年間待たされたことだけはある、まさに"待望"のアルバム。さぁ、あとはステージを生で見たいところだ!

Text by 常盤安信(横須賀佐原店)

『イントゥ・ユア・ヘッド』
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CD
ビクターエンタテインメント
VICP-62030
¥2,400(税抜)
発売中

全世界に先駆け日本で大ブレイクしたBBマックの待望のセカンド・アルバム。LA、ロンドンの豪華プロデューサー陣を起用し、彼らの魅力であるメロディとハーモニーに、強化されたギター・サウンドが融合した傑作。日本盤はボートラ2曲収録、CDエクストラ仕様、オリジナル・ジャケットなど特典満載。



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