ジョージ・ハリスン

ARTIST PICK UP

ジョージ・ハリスン

静かなるビートル、ジョージ・ハリスンの遺作が遂にリリース。
優しくて温かい人柄を色濃く反映した、
音楽ファン必聴の1枚。

(初出『Groovin'』2002年10月25日号)

ジョージ・ハリスン-A.jpg 2001年の年末はジョージ(の音楽)三昧の日々だった。静かなるビートル、ジョージ・ハリスンの死は、僕にとって少年時代のアイドルを「また1人」失い、何年かに1度聴けるはずの新作に永遠に封印がされてしまう事を意味していた。ビートルズが大好きだった、そして解散以降のソロ作品に関して言えば、ジョージのアルバムだけが完全コレクションされていたりしたものだから、どうしてもジョージ三昧の日が続いた訳だ。そうこうしている内に「亡くなる直前までアルバム制作をしていたらしい…」という情報が入ってきた。米沢さん(注:某レコード会社のセールスの方です)じゃないけど「マジっすかぁ!」と叫びたくなった。あと1度だけはジョージの新作に会えるのだ!ってね。
 そして、その時は遂に来た。ジョージ逝去後1年、ついに入魂の新作が届く。制作にあたったのはジョージの息子ダーニとジェフ・リン(ビートルズ・アンソロジー・プロジェクトにも参加)。ジェフによれば制作は99年から開始され、特にこの1年(=2002年)はジョージの残したマテリアルを活かす最後の仕上げに費やされたという。またジョージは生前、このアルバムをどのように仕上げたいかを、細部に至るまでジェフに伝えていたという。事実、(現時点で)僕が耳にする事の出来た3曲は、70年の名盤『オール・シングス・マスト・パス』や前作『クラウド・ナイン』(89年発売)の味わい、さらにはビートルズ時代にも共通するニオイを持ちながら、新しい発見がある、まさにジョージが詳細に指示を与えていた事が伺える仕上がり。中でも晩年お気に入りだったというウクレレ(そういえばアンソロジーの映像でも弾いてたなぁ)をフィーチャーした作品(曲名は失念!)は、実に温かでホンワカした感覚に満ち、ジョージの人柄を色濃く反映した逸品。これは買いでしょう。中国の古い諺に曰く「ジョージのアルバムにハズレなし」。
 なお老婆(爺)心ながら付け加えると、今年はビートルズ・デビュー40周年。ジョージの新作と併せてビートルズも聴く!これ、ポップ音楽鑑賞の基本。

Text by Brian.W(本社ソフト営業部MDM)

『ブレインウォッシュド』
ジョージ・ハリスン-J.jpg




CD
東芝EMI
TOCP-67074
¥2,427(税抜)
11月18日発売

ビートルズのギタリストとして、また70年代以降はソロ・アーティストとして不滅の足跡を残したジョージ。その彼が生前手がけていた作品が1枚のアルバムとなった。人柄そのままの優しく温かい作品群は、我々の失ったものの大きさを改めて教えてくれる。必聴!初回限定デジパック仕様。

【ジョージ・ハリスン 日本オフィシャルサイト】http://www.emimusic.jp/artist/harrison/

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