Life

今年8月にメジャー・デビューを果たしたLifeのセカンド・シングルが完成。
『Fear』の中にある衝動に、私達は惹きつけられ、そして追い込まれていく。

BRAND NEW ARTIST Life

 99年に名古屋で結成され、今年8月にマキシ・シングル『blue』でメジャー・デビューを果たしたLife。彼らの特徴として、非常にクラシカルでシンプルなサウンド・スタイルを貫きながら、ロックの初期衝動とノスタルジックなムードを両立させている点が挙げられる。そして、決して新しいとは言えないけど、古いとも絶対に言い切れない、そんなサウンドの中にあるのが、バンドの紅一点、詞・曲も手掛ける川端芽久美のヴォーカルだ。彼女の声の確かな存在感がバンド・サウンドと拮抗することで生まれる緊張感は、これが新人とは思えないほどである。
 そして、11月7日にリリースされる彼らのセカンド・シングルが、今作「Fear」。前作「blue」が"静"で"青"なら、今作は"動"で"赤"といった感じを受ける。しかし、それは歌詞や楽曲のテンポによる印象だけが引き起こすものではないだろう。彼らがこの曲で描いた"静かな衝動"が、ゆらゆらと揺れる炎のように私達を惹きつけ、そして追い込むのである。彼らが今作で見せた新たな側面は、Lifeというバンドのオリジナリティをさらに際立たせることになったが、彼らにはまだまだ多くの引き出しがあると見た。次作が楽しみである。

(初出『Groovin'』2002年10月25日号)
Text by 鮎川夕子(編集部)

『Fear』
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Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35432
¥1,000(税抜)
11月7日発売

99年に名古屋で結成され、今年8月にデビューを果たしたLifeのセカンド・シングル。重圧感のあるバンド・サウンドと強烈な存在感を放つヴォーカルのせめぎ合いが聴きどころ。カップリングにはフォーキー・テイストな「Days」を収録。こちらもなかなかの仕上がり。

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