SMOOTH ACE

SPECIAL INTERVIEW

SMOOTH ACE

カヴァー・アルバム『Smooth Le Gout Avec Piano』が好評のSMOOTH ACEが、はやくもその第2弾となる作品をリリースします。J-POPの名曲を、彼らならではの歌心とハーモニーでカヴァーしたアルバム『LOVE STORY〜AVEC PIANO〜』について、メンバーの重住さんと岡村さんのお2人にお話をうかがいました。

(初出『Groovin'』2002年10月25日号)

ーー:まずは『Groovin'』初登場ということで、メンバー紹介を含め、結成のいきさつを教えて下さい。
重住ひろこ:SMOOTH ACEの歌番長、重住です(笑)。結成は大学のアカペラ・サークルで私と岡やん(岡村 玄)が知り合ったのが最初ですね。その時はお互いにいろんなグループを掛け持ちでやっていたのですが、その中のひとつでいっしょに活動していて。ある時私がずっと続けていたグループが解散することになったんです。で、もっとハーモニーの魅力を追求したくて、自分たちで曲を作って歌う新しいグループを組もうということになって、岡やんを誘ってメンバー募集をしたんです。それで愛知の大学院に通っていた平 慎也が加入しました。その後半年ぐらいメンバーが見つからなくて、じゃあこっちから探しに行こうと言うことで、ヴォーカル・スクールで歌っていた李 眞姫をスカウトしたんです。音域的にも私と慎也の間に入る低めの女性の声を探していたのでばっちりだったんですね。
ーー:パート割りはきっちり決められているんですか?
重住:基本的には私がメイン・ヴォーカルをとって、コーラスは一番高いところを眞姫が、その下を慎也、一番下をおかやんがというパターンが多いですね。
ーー:男女2名ずつという編成は結成時に決められてたんですか?
岡村 玄:そうですね。基本的にハーモニーを聴かせる時に男女半々が一番バランスがいいだろうと。
重住:実際に男声と女声がミックスされた時の広がりとか、この編成でしか出せない響きもありますしね。
ーー:今回は5月に発売されたカヴァー・アルバムの第2弾ということですが。
重住:前作は、お店やラジオで流れたときに「ユーミンやドリカムのあの曲がこんなふうになるんだ」というのがフックになって、SMOOTH ACEを知るきっかけにもなってくれたアルバムでもあるんですが、それがとても好評で今回第2弾を、ということになったんです。
ーー:選曲はどういった方法で?
岡村:前回と同じくラジオ、インターネット等でリクエストを募ったんですが、今回は「冬の思い出のラヴ・ソング」というテーマで。実は第2弾を予定していなかったので、前作にもそういう感じの曲が入ってたりするんですが(笑)。
ーー:それでは収録曲について。カヴァーするにあたって特に印象に残っているのは?
重住:山下達郎さん(「クリスマス・イブ」)と吉田美奈子さんの曲(「CHRISTMAS TREE」)は自分たちがずっと聴いてきた曲なので、自然と思い入れも強いですよね。それにやっぱり「クリスマス・イブ」はすごいプレッシャーでしたね。でも単純にこの曲を聴きたいという人も多かったし、「冬の思い出のラヴ・ソング」と言えばこれは外せないだろうと。私は普段から達郎さんを愛聴しているのですが、今回歌うという視点で改めて聴き返してみると、メロディはすごくシンプルなんですね。オリジナルはそれをアレンジで盛り上げていって、あの多重コーラスの間奏に入るんですが、この間奏の部分は聴かせどころだ!と思ったので、達郎さんをリスぺクトしつつ自分たちのカラーを入れて、さらに1曲をいい流れで聴かせるためのアレンジに試行錯誤しました。レコーディングに入る前にもすごく聴き込んだし。
ーー:逆にあえて聴かなかった曲はありますか。
重住:「Everything」は、女性ヴォーカルということもあって、歌い回しとかになるべく影響を受けないようにメロディだけ教えてもらって。その代わり何度も歌ってみることで、自分の中でしっくりきたという曲ですね。オリジナルとは違ってポンと歌がそこにあるという感じに仕上がりました。
ーー:男性ヴォーカルの曲はいかがですか?
岡村:スピッツの「チェリー」はポップな曲なんだけど、詞は切ないので、シゲ(重住)が歌うとはまるんじゃないかと思いましたね。
重住:あとユニコーンの「雪が降る町」はあまり苦労なく、楽しくできました。こういうほっくりする曲があってもいいかなと思います。アルバムの中でもいい位置にきましたね。
ーー:他にレコーディングで印象に残っている曲というと?
岡村:「LOVE LOVE LOVE」は初めてレコーディングしたアカペラなんですよ。普段だったら1日2曲とかのペースなんですけど、この曲は丸1日かかりましたね。それにこの曲は多分一番リクエスト多かったんじゃないかな。
ーー:今作はバックの楽器がピアノとベースだけですが、ヴォーカル・アレンジはどういった感じで?
岡村:まずはピアノとリード・ヴォーカルを「せーの!」で録るんですね。ほぼライヴ状態なのでそこで多少のテンポの揺れも出来てしまうんですけど、その揺れを感じながらコーラス・アレンジを付けていくんです。そのライヴ感のようなものがすごくいい効果を生んでると思うのでぜひ聴いてほしいですね。
重住:で、最終的にはグループ内のプロデューサーである岡やんがアレンジしたメンバーの色をちゃんと出しながら、まとめるところはまとめてくれる、という感じです。
ーー:『Groovin'』の読者にメッセージを!
岡村:幅広い楽曲が揃ったと思うので、みなさんの思い入れのある曲がどうなっているか、聴いてみて下さい。ぜひ感想も聞かせてください。
重住:前回も今回も、歌心のある歌、歌心のあるハーモニーで、すっと心に入ってくるような響きのものが作れたんじゃないかと思うし、年齢を問わず楽しんで頂けるアルバムが出来たと思うので、ぜひ聴いて下さい。

(2002年9月19日/東芝EMIにて)
インタビュー&構成:鮎川夕子

『LOVE STORY〜AVEC PIANO〜』
SMOOTH ACE-J.jpg




CD
東芝EMI
TOCT-24883
¥2,381(税抜)
11月16日発売

5月に発売されたカヴァー・アルバムの第2弾が早くも登場。「冬の思い出のラヴ・ソング」をテーマに「クリスマス・イブ」から「Everything」まで、J-POPの名曲を再びカヴァー。厳かなピアノの音色と共にSMOOTH ACEのハーモニーをじっくり堪能して下さい。

【SMOOTH ACE OFFICIAL WEB SITE】http://www.smoothace.jp/

inserted by FC2 system