LIL'AI

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LIL'AI

リアル・パフォーマー、LIL'AIが放つ
メジャー・デビュー・マキシ・シングル『Ain't Nobody』。
真の表現者としてスタートを切った彼女のパフォーマンスを、とくとご覧あれ。

(初出『Groovin'』2002年11月25日号)

 GOING MY WAY…ときに個人のワガママぶりや協調性の無さを揶揄して使われたりもするが、私にとってこの言葉は人生の格言であり、最上級の賛辞でもある。自分の道を見つけ、自分らしく生きていくことって最高にハッピーで、かっこいいことじゃないだろうか?何事においても画一的だった日本社会が個性の時代と言われるようになって久しい。だが、実際にはまだまだ"人と同じじゃなきゃマズイ"的な風潮が根強いのも事実。しかし、自分の道を迷わず突き進めば、メジャー・リーグにも行けるし、ノーベル賞だって獲れるのでは?
 12月4日にマキシ・シングル『Ain't Nobody』でメジャー・デビューを果たすLIL'AI(リルアイ)。出来上がったばかりの彼女のデビュー作を聴いて、直感的に浮かんだ言葉が「GOING MY WAY」だった。純粋なロックやフォークのような主張の強い音楽ならともかく、R&B調のダンサブルなトラックのどこにそんな印象を受けたのか、明確に答えるのは自分のことながら難しいのだが、彼女の自由奔放さと良い意味でのガンコさがその音楽からしっかりと伝わってきたのだ。
 それもそのはず、彼女はダンスのインストラクターとして活躍していたが、本場のヒップホップ・カルチャーに直に触れることで、自らのパフォーマンスをレベルアップしたい!と単身渡米した過去を持つ。目指すパフォーマンスがアメリカにあるのなら、そこに行くしかないでしょ?ということか。まさにGOING MY WAYである。
 今作は、ダンスに必要なグルーヴをふんだんに盛り込んだバック・トラックに、時折ハード・ロック調のギターが顔を覗かせる部分や、ラップや彼女が手がけた歌詞の中に、"これがやりたいんだ!"というはっきりとした意志の強さが見られる、実に痛快な仕上がりである。また、彼女の声質に幾分あどけなさの残る瑞々しさが含まれていることが、非常に良い方向に作用している。トラックのアバンギャルドな空気感が、彼女の声が入ることによって日本的ワビサビ感やアジアン・ムードを漂わせる独特なものに変化していく様子にも注目してみてほしい。
 振り付け、舞台構成、メイクアップ、スタイリングなど、全てをセルフ・プロデュースするという彼女。ステージでのパフォーマンスも非常に楽しみである。

Text by 鮎川夕子

『Ain't Nobody』
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Maxi Single
徳間ジャパン
TKCA-72466
¥1,200(税抜)
12月4日発売

作詞はもちろんのこと、振り付け、舞台構成、メイクアップ、スタイリングなど、全てをセルフ・プロデュースするというLIL'AIのメジャー・デビュー・マキシ。ダンサブルなグルーヴを備えたトラックに、強烈かつ繊細な印象を残すLIL'AIのヴォーカルが絡む。


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