つじあやの

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つじあやの

『恋する眼鏡』をのぞいてごらん。
あなたのため息もきっと春風に変わってしまう。
心にやさしい、心に懐かしい、そんな恋の歌七編が入った、つじあやのからの一足早いクリスマス・プレゼント!

(初出『Groovin'』2002年11月25日号)

つじあやの-A.jpg つじあやのは1978年、京都に生まれた。その街を流れる鴨川は、彼女の音楽活動の原点ともいうべき場所である。高校時代に出会った生涯の友人、"ウクレレ"と共に行ったミニ・ライヴは、美しい川の流れのコーラスと、穏やかでのんびりとした彼女の歌声で、美しい京の都をより艶やかなものに変えていったであろう。
 今年の夏公開された映画「猫の恩返し」は大ヒットを記録したが、その主題歌となった「風になる」は、彼女の最大のヒット曲となった。また、店頭でこのCDを探す客層は実に様々で、小さな子供からお年寄りまで、まさに老若男女だったが、多くの人が彼女の歌で染められていくような感じがして、私自身とても嬉しかったのを覚えている。そして、私個人の、今夏の鼻歌ベストヒット・ランキング第1位は間違いなくこの曲である。そんな「風になる」で初めてつじあやのを知った方や、彼女の作品に興味を持った方に、もっと彼女の音楽を聴いてもらいたい!と思っているのだが、なんと、そんな人たちにぴったりな、マイ・ファースト"つじあやの"的な作品が登場する。
 シングルを中心に彼女の代表曲をセレクト、新曲も1曲収録した今作だが、そのタイトルには彼女のチャーム・ポイントが入っている。「恋する眼鏡」…この眼鏡は、私のように青春野郎だった時代を引きずっている奴の心を見透かしてしまう魔法があるらしい。例えば収録曲「君のうた」は、少し切ない印象のある曲で、私がティーンエイジャーの時、授業中にノートに綴った詞に、覚えたてのギターで曲をつけていた頃とシンクロしてしまう。とても懐かしく、少し照れくさい。だけど絶対に誰にも譲れない気持ちを持っていたあの頃の自分に久しぶりに再会したようであった。
 今作に収録されている「風になる」のアコースティック・ヴァージョンは、ウクレレの弾き語りで始まる。それにギター、ドラム、リコーダーが徐々に加わっていき、最後に大きな盛り上がりをみせる構成なのだが、この曲に、友達が次々と増えていくような気持ちになったのは私だけだろうか?
 何より今作に収録されたのは、彼女の代表曲といえるものばかり。昔からのファンにとっては思い出深い曲も多いため、オリジナル・アルバムとは全く違った趣になっている。また、彼女の詞には、"キミ" "ボク"といった言葉が多く見られるが、そのおかげで、女性だけでなく、男性も十分共感できる。これが多くのファンの心をつかんだ理由のひとつであると思われる。
 「僕の心のやらかい場所を 今でもまだしめつける」言わずと知れたSMAPの「夜空ノムコウ」の歌詞の一部だが、この「やらかい」部分を非常に上手く突っつくのが"つじあやの"ワールドではないだろうか。
 片思いのカレ、カノジョ!「恋する眼鏡」をかけて素直になれたら、あなたの恋はバッチリかも?青春野郎&青春ちゃん、ガンバレ!

Text by 押尾武史(富士中央店)

『恋する眼鏡』
つじあやの-J.jpg




CD
ビクターエンタテインメント
VICL-61041
¥1,800(税抜)
12月11日発売

大ヒット・シングル「風になる」をはじめ、つじあやのの数々の名曲の中から、君と僕の想いがギッシリと詰まった恋の歌をセレクション。新曲「たよりない僕らの果てしない明日」(JFN FM FESTIVAL '02 DREAM SONG)も収録。初回限定盤には、掛けた瞬間思わず恋に落ちてしまう!?"魔法の眼鏡"&"恋するレシピ第1集〜クリスマス・お正月篇〜"付き。

【つじあやのオフィシャルHP「うららかさん」】http://www.tsujiayano.com/

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