CHEMISTRY

SPECIAL SELECTION

CHEMISTRY

2002年、類例の無いあらゆる場で化学反応をおこしてきたCHEMISTRY。
その融合が起こした軌跡(奇跡)がいよいよ貴方のもとへ!

(初出『Groovin'』2003年12月25日号)

CHEMISTRY-A.jpg その日本人離れした声量、天性のリズム感を持ち、動的に、エモーショナルに歌い上げる、ヴォーカリスト川畑要。ハイトーンからファルセットにかけての繊細かつ穏やかな歌いまわしは、聴く者の心を癒す、ヴォーカリスト堂珍嘉邦。CHEMISTRYの名は、2人のヴォーカリストが生み出す"音楽的化学反応"に由来する。また様々な場所において類例の無い化学反応(=コラボレーション)を生み出してきた。それは音楽だけにとどまるものではない。広い意味でのクリエイティブ全般(全ジャンルにおける表現者)を対象とする。前作1stアルバム『The Way We Are』から約1年、幾多の化学反応を経てついに2ndアルバム『Second to None』が生み出される。
  今作はシングルで発表された「Let's Get Together Now」「君をさがしてた〜New Jersey United〜」「FLOATIN'」「It Takes Two」「SOLID DREAM 」そして「My Gift to You」を含む2002年CHEMISTRYの音楽的化学反応を網羅し、2003年へと飛躍するマスターピースになっている。プロデュースを手掛けたのは平井堅、DOUBLEのプロデューサーとしても有名な松尾"KC"潔。その他にも和田昌哉、今井大介、RYOJI(ケツメイシ)、奥田民生、S.O.S.など豪華なメンバーが化学反応の"触媒(トラックメイカー)"として参加している。アルバムを通して、そのトラックメイカーの作る曲を媒体としCHEMISTRY自身が様々なカラーに変貌を遂げる。そしてその曲に対しベストなオリジナリティーと最高のパフォーマンスを見事に溶け込ませ融合している。
 FIFAワールドカップ公式テーマソングTMとなった「Let's Get Together Now」は、フレッシュで疾走感漂う爽やかなナンバーだった。若々しさ、瑞々しさに溢れていて、そのエネルギーが大会の更なる盛り上がりに貢献したことは言うまでも無いだろう。今回は「Voices of KOREA/JAPAN」としてではなく「Tokyo Calling」としてリテイクされての収録となっている(私個人としては、この曲の次に入っている「Interlude」の@Yuigahama, KAMAKURAという表記に注目している。理由は単に近所だから…なのだが、気になるから休日にでも散歩がてらに真相を確かめに行きたい)。
 先日発売された『My Gift to You』 (CHEMISTRY meets S.O.S.)はこのアルバムからの先行シングルであった。ちょうどクリスマス・シーズンに最適なラヴ・バラードで、S.O.S.のコーラスワークが美しく、ハーモニーが優しく、エモーショナルでソウルフル。それはまさにCHEMISTRYのためのナンバーであった。この曲が恋人達のクリスマスの更なる盛り上がりに貢献したことは言うまでも無いだろう。
 今作『Second to None』のトータルの流れ(=2002化学反応の動向)はヴァラエティに富んでいる。定着しているミディアム、スローなR&Bをはじめとし、ゴスペル、アッパーチューン、ハウス的アプローチのようなトラックなど、前作にはない新しい試みが多い。そのどんなトラックの上でも違和感無く乗りこなし融合している。もはや音楽だけではない、CHEMISTRYは私たちの生活の一部に化学反応を起こし、融合し、なくてはならないものになっているのだ。

Text by 齋藤雅哉(鎌倉深沢店)

『Second to None』
CHEMISTRY-J.jpg



CD
DefSTAR RECORDS
DFCL-1091
¥2,913(税抜)
2003年1月8日発売

シングル「Let's Get Together Now」から「My Gift to You」までを収録した、豪華でヴァラエティに富んだ待望の2ndアルバム。プロデュースを手掛けたのは平井堅やDOUBLEのサウンド・プロデュースで有名な松尾"KC"潔氏。

【CHEMISTRY Official Web Site】http://www.chemistryclub.net/

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