Blue

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ここまで粒揃いのアルバムには、滅多にお目にかかれない!
UK No.1 ヴォーカル・グループ、Blueの2ndアルバム『One Love』は、
曲、ヴォーカル、サウンド・ワークの全てにおいてパーフェクトな1枚だ。

(初出『Groovin'』2002年12月25日号)

blue-A.jpg 本作を聴き終えて、いや聴いている時分から「なんて良いアルバムなのだろう」と感嘆することしきり。ほんの1年半ほど前にデビューしたばかりだというのに、今やUK No.1 ヴォーカル・グループとの呼び声が高いのも充分うなずける。いやはや、Blueの2ndアルバム『One Love』は、曲、ヴォーカル、サウンド・ワークの全てにおいてパーフェクトな1枚なのである。
 「Blueとは何ぞや?」という方のためにここで簡単にご説明を。メンバーはアントニー・コスタ、ダンカン・ジェームズ、リー・ライアン、そして唯一のブラックであるサイモン・ウェブの4名。平均年齢22歳の彼らがUKでデビューを果たしたのは2001年5月のこと。その後、またたく間にUKヒットチャートを席巻し、同年11月に発表した1stアルバム『all rise』はミリオンセラーに。世界各国でも大ヒットを記録し、本国での賞レースにおいてもニューカマー部門を総ナメにした恐るべきグループなのである。
 遅ればせながら今年10月には初来日を果たし、もはや彼らが日本で大ブレイクするのは時間の問題。その引金となるのがこの『One Love』なのではないかと、私は密かに睨んでいる。ちなみに本作は、UKではすでにリリースされており、「ミュージック・ウィーク」誌のチャートでU2のベスト盤を抑え堂々の1位を獲得している。
 今回、ここ日本で満を持して放たれる本作は、彼らにとって初のバラード・シングルカットとなった記念すべきナンバー「If You Come Back」他、計2曲をボーナス・トラックとして収録。日本盤のみのゴージャスな特典もアリだ。
 もちろん、豪華なのはそれだけじゃない。先のボーナス・トラックも含め、収録曲はなんとトータル17曲という破格のヴォリューム!しかも、日本で10月末に先行シングルとしてリリースされたタイトル曲「One Love」をはじめ、エルトン・ジョンとのデュエットで話題となった名曲「Sorry Seems To Be The Hardest Word」のカヴァー、4つ打ちのアナログチックなアッパー・ダンスファンク「Right Here Waitng」、コーラスとストリングスが美しく絡むモータウン調の「Don't Treat Me Like A Fool」等々、そのどれもが好楽曲かつ高クオリティーなのである。よって捨て曲は一切ナシ。ホント、ここまで粒揃いのアルバムには、なかなかお目にかかれない。
 そんな本作の根幹を成すのは、スタイリッシュなR&Bと、どこか懐かしさの漂うモータウン・テイスト。この2つの交じり具合が絶妙なだけでなく、そこにUKならではの斬新なサウンド・エッセンスが贅沢に盛り込まれているのである。しかしながら特筆すべきは、何といっても彼らのヴォーカル・ワークの素晴らしさだろう。それぞれ違った個性を放つ4つの声が最高のメロディーと共に丹念に織り上げられていく、とでも言おうか。ソロ、コーラス、ユニゾンの、どのパートをとっても深い厚みと豊かな表現力に溢れているのである。
 アルバム全体を包み込んでいるのは、グループ名「Blue」のニュアンスをも表す「エロティックな」ムード。それは、いわゆるアイドル的な「ボーイズ・グループ」には絶対に真似出来ない、本物のアーティストのみが成し得る業(わざ)。本作を皮切りに、彼らは間違いなく、ここ日本で更なる飛躍を遂げることだろう。そう私は信じている。

Text by 秋野 櫻

『One Love』
Blue-J.jpg




CD
ヴァージン
VJCP-68464
¥1,905(税抜)
2003年1月16日発売

UK No.1 ヴォーカル・グループ、Blueが満を持して放つ2ndアルバム。ボーナス・トラック2曲を含む全17曲はR&Bとモータウン・テイストに彩られた斬新な秀曲ばかり!日本盤のみの豪華な特典もアリ。エルトン・ジョンとのデュエット&カヴァー曲をはじめ、捨て曲ナシの傑作盤だ。

【Blue 公式サイト】http://www.emimusic.jp/artist/blue/

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