一青 窈

ARTIST PICK UP

一青 窈

溢れ出るナミダを、止めることはできない。
ココロに支配された感情を隠さないで…。
一青 窈のファースト・アルバム『月天心』に込められたさまざまな想いを感じてほしい。

(初出『Groovin'』2002年12月25日号)

一青窈-A.jpg ナミダの温かさを知ってる?ナミダを流したことがある?ナミダは恥ずかしい?ナミダは綺麗なものだって信じられる?一青 窈はそんなことを思い出させる。キーワードは"ナミダ"。初めて聴いた時、ココロが温かくなった。1人じゃなかったら泣いてしまいそうだった。多分、ちょっとしたココロの隙間にじんわりと染み込んできたのだ。不意を衝かれた。魅力的な声を持つシンガーというものは世の中に溢れている。魅力的な声にプラスされた何かがあったとしても、私達のココロを強く打つのは難しい。極一握りのキラキラが、ココロに矢を放つだけだ。
 さて一青 窈。まずなんて読むのだろうと思うのが過半数?「ひとと よう」と読みます。本名なので覚えましょう。彼女の経歴についてはあえて触れないけれど、一青 窈というシンガーがこの世に誕生していることは認識しておいて。いずれ日本中を騒がす、エヴァーグリーンなシンガーになるはずなので。では、彼女の魅力とはいったい何なんだろう。私がお勧めすべきというか、好きなのは歌詞。「空間」「句読点」「段落」の使い方が絶妙なのね。1回聴いた後に、今度は歌詞カードを読みながら聴く。そして3回目に聴く時はごろりと寝転がり目を瞑って空を(天井の一点でも可)見上げながら聴いてみてほしい。頭が冴え渡る深夜、空気が冷たい時に聴くとより一層お勧めだよ。頭は空っぽにして欲しいんだけれどココロまでは真っ白にしないでね。考えながら、緊張しながら音を楽しんでみて。私の「お勧め」する「一青 窈の音楽」は、簡単には説明がしきれないんだけれど、そこの所、感じてくださいね。
 なんだか話が逸れてきた気がするので修正。何から話そうかな?と迷ってしまうけど、これはアルバムの紹介だからして、アルバムの話を。ポイントとなっているのはアルバム・タイトルでもある「月天心」、そして「もらい泣き」の2曲なのかな?まず「月天心」、何て言っているのかな?と歌詞カード見て納得。冒頭は台湾の言葉でしょうか?かなり効果的な印象。歌詞は切なくて痛い感覚と、ホッとする救いのような慈悲のような、そんな感覚が混ざり合っていて、それが川を流れるようなメロディーに乗って、淡々と語り掛けられているよう。その不思議さが切なく感じられる。私はこの曲が大好きになりました。そして「もらい泣き」についてはもう説明はいらない?FM各局にてヘヴィ・ローテーション中。有線を聴いている人も1時間に1回は耳にしているはずの、あの曲です。「ええいああ〜君からもらい泣き」耳に残りますよね。派手さは決してないけれど、気後れすることなく、素直に歌いこまれた曲はココロに響きます。温かさのあふれたヴォーカルは、次世代女性ヴォーカル・シーンにおいて、重要な役割を担うことは間違いない。ということから考えても、今回のアルバムはとっても大事なものであるでしょう。あなたにとっても、きっと大切な1曲が見つかるはずです。
 一青 窈に出会って、「やさしく」ありたいと心から願う。そして一青 窈を探し出してくれたあなたがたに、そして何より大好きな一青 窈に「1千回も1万回も アリガ十々アリガトウ」の言葉を贈りたいと…。

Text by 有田幸恵(島田駅前店)

『月天心』
一青窈-J.jpg




CD
コロムビアミュージックエンタテインメント
COCP-32024
¥2,500(税抜)
発売中

喜び、強さ、悲しみの中に生まれた温かい優しさ。そんな、あらゆるココロの温度を表現できる表情豊かなヴォーカルが最高に魅力的な「ひとと よう」の1stアルバムが早くも登場!1人で思いっきり泣いたって、悲しみだけじゃ終われない。全ての女性が共感できる素敵なアルバムです。初回のみ特殊仕様。

【一青 窈 OFFICIAL SITE】http://www.hitotoyo.ne.jp/

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