Every Little Thing

SPECIAL SELECTION

Every Little Thing

Every Little Thing待望のオリジナル・アルバムが遂に完成。
バラードを中心としたシングルを多数収録という、うれしい内容。
ほっと心が温かくなって、元気な気持ちになれる、ELT色に溢れた1枚。

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

Every Little Thing-A.jpg 自分の気持ちにぴったり合った言葉が見つからなくて、もどかしい思いをした事は無いだろうか。そしてそんな時、誰かの発言や歌の中の一部分に探していた言葉を発見して、それがずっと頭に残ってしまった事は無いだろうか。私はちょくちょくそういう経験をするのだけれど、その度に、その相手との共通点を見つけたような気がしてうれしくなってしまう。それは、無くしたパズルの最後の欠片を見つけた時のようなうれしさで、その相手が知り合いであれば、その後何度も会って話がしたくなるし、歌の内容であれば、その曲を何度でも聴きたくなる。
 誰かの言葉に共感して、誰かの歌に共感する。「共に感じる」と書いて「共感」。見たまんまだが、誰かと「共に、一緒に、同じように」思ったり感じたりできた時、おそらくほとんどの人はうれしく思うだろう。同じ位置から同じ物を見れば同じように見えるように、男性ならば男性の気持ちが、女性ならば女性の気持ちが、異性よりもわかり易い場合は多い。
 フジテレビ系恋愛観察バラエティー「あいのり」の主題歌でもあったEvery Little Thingの「fragile」は、2001年1月のリリースながら、いまだにカラオケで歌われる曲の上位に入っている。それだけたくさんの女性が、この曲の中に自分との共通点を見つけ、支持した結果だ。持田香織の綴る世界は夢や理想では無く、私たちが生きている身近な日常でありながら、彼女独特のフレーズがそこかしこに散りばめられることで、耳から流れ込んできた時、何かが必ず聴く者の中に残り、いつしか栄養のようにしっかり吸収されている。
 持田が作り歌う歌詞が栄養だとすれば、それを摂り込む時に大事な水分の役割を担っているのが、伊藤一朗のギターだろう。バラード曲を数多く生み出しているELTだが、例えば昨年5月にリリースされた「キヲク」は、それまでのバラードとは一味違った、ロックっぽいバラードに仕上げられていた。そのために伊藤はギターを7、8本ダビングしたらしい。結果、幻想的なAメロ、加速のあるBメロ、キャッチーなマイナー感のあるサビが生まれた。聴く側への配慮を忘れることなく、それでいて常にさりげない彼の存在感はとても貴重だ。
 そんなELTの待望の最新アルバムが完成した。「キヲク」「ささやかな祈り」や「UNSPEAKABLE」「nostalgia」(『UNTITLED 4 ballads』収録)、さらに先行シングル「Grip!」など、「jump」以降のシングル曲のほとんどを収録という、ベスト盤に近い内容だ。しっとりと染み渡るバラードを中心としながらも、「jump」に代表されるような元気をくれる曲も入っていて、改めて彼らの音楽性の広さを実感できる。今作もきっと多くの支持を受ける1枚になることだろう。

Text by 二宮万里(編集部)

『Grip!』
Every Little Thing-J Sg.jpg




Maxi Single
avex trax
AVCD-30420
¥1,000(税抜)
3月12日発売

2003年第1弾シングルは、しばらく続いたバラードから一転して、弾けるようなメロディーが印象的なポップ・チューン。彼らの持つ音楽性の幅広さを改めて実感することができる1曲。よみうりテレビ・日本テレビ系アニメ「犬夜叉」オープニング・テーマとしてオンエア中。

『Many Pieces』
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CD
avex trax
AVCD-17240
¥2,913(税抜)
3月19日発売

ELTの最新アルバムは、多くの支持を受けるバラードを中心としたシングルを多数収録した、ベスト・アルバム的内容。冬の寒さの中にも春の訪れを感じさせるような、温かいバラードとポップなナンバーがミックスされた、この季節にぴったりの1枚。全曲聴き終えた後の満足度は100%、文句無しです。

【Every Little Thing OFFICIAL WEB SITE】http://www.avexnet.or.jp/elt/index.html

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