naja

ARTIST PUCK UP

naja (ネイジャ)

ロック・テイストとエレクトリック・サウンドをベースに、
限りなく融合と拡散を繰り返していく音の螺旋。幾重にも絡み合ったそれらの要素が偶発的に、
もしくは必然的に結びつき、唯一無二のサウンドへと進化していった…それが、najaだ!

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

 みずみずしい音である。素直に皮膚を透過するような。
 ロック・テイストとエレクトリック・サウンドをベースに、限りなく融合と拡散を繰り返していく音の螺旋。幾重にも絡み合ったそれらの要素は、偶発的に、もしくは必然的に結びつき、まったく新しい唯一無二のサウンドへと進化していった。彼ら…naja(ネイジャ)の放つ1stマキシ・シングル『火の鳥』は、だからわたしに心地よい戸惑いを抱かせる。
 本作でデビューを飾った彼らは、全員がまっさらの新人というわけではない。アコースティック・ギターは元・RAZZ MA TAZZの横山達郎だし、ドラムは元・JUDY AND MARYの五十嵐公太だ。この百戦錬磨の両ミュージシャンとともにnajaを構成しているのが、新人ヴォーカリストのYURI。未知数のニューカマーである彼女が、najaの印象を決定づける大役を担っているのである。
 高音域をものともしないその歌声は、クリアなガラスというよりも、つや消しの施された磨りガラスのような質感。透明感を擁しながらもどことなくハスキーで、ときにはナイフのような鋭ささえも漂う。それは、はかなそうで強い、不器用そうでたくましい、あるいはあどけないようで切ない、といった相反する印象を聴く者に抱かせる。人はそれを「荒削り」と言うかもしれない。でも、だからこそ「伝えたい」という気持ちが痛いほど感じられるのも確かだ。
 これは、自身の手掛けた詞を歌っていることにも起因しているのだと思う。キャッチーかつ叙情的なメロディーの上で彼女が描き出すもの、それは失った恋に思いを馳せる女の子の切ない心だ。だが、そこには葛藤する不安定な気持ちこそあれ、メソメソと泣くひ弱さは微塵も存在しない。どこかしら熱い意志が感じられるばかりか、ひいては強さみたいなものさえ醸し出しているように思えてならないのである。これはひとえに、YURIのあり余る表現力と傑出した個性のなせるワザであろう。
 また、このように彼女の持ち味が最大限に引き出されているのも、ヴォーカルを支えるバックトラックの素晴らしさがあってこそ。アナログとデジタルを融合させたそのサウンドは、タイトで完成されたドラム、メロウなアコギ、ここぞというときにガツンと鳴くエレキ・ギターに加え、シンセ、オルガン、果てはスクラッチ音まで取り入れた、実に欲張りな仕様だ。だからといって、ゴチャゴチャした印象はまったくなく、冒頭にも書いた通り、素直に皮膚を透過し身体全体に沁み入るようなみずみずしさに溢れているのである。これはもう、najaを誕生させたキーマンであり、本作のトータル・プロデュースも手掛けている、かの香織の手腕の賜物であろう。
 「naja」とは、ネイティヴ・アメリカンの言葉で「かぼちゃ(の一種)」を意味する。またその形が子宮に似ていることから、女性の希望、子孫繁栄のシンボルとしてインディアン・ジュエリーに用いられているのだそう。高校生のとき「もう日本に居場所はない」と思い立ち、アメリカへ渡ったYURIが、自分探しの旅の中で見つけたそれは、いま、かけがえのない仲間を得て、まばゆいほどの光を放ちはじめたばかりだ。炎に身を投じて再生を繰り返すフェニックスのような、美しくも力強い緋色の輝きを。

Text by 秋野 櫻

『火の鳥』
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Maxi Single
コロムビアミュージックエンタテインメント
COCA-15457
発売中
¥1,000(税抜)

元・RAZZ MA TAZZの横山達郎、元・JUDY AND MARYの五十嵐公太、そして未知数の新人ヴォーカリスト・YURIの3名からなるnajaが、本作「火の鳥」で遂にデビュー!アナログとデジタルを融合させた唯一無二のサウンドは、身体全体に沁み入るようなみずみずしさに溢れている。ズバリ、聴くべし!

【naja 公式サイト】http://columbia.jp/~naja/

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