HEESEY WITH DUDES

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HEESEY WITH DUDES

THE YELLOW MONKEYのベーシスト、HEESEYが洒落た野郎共を率いてロック・シーンに帰還!
自分のROCKにこだわり続ける彼こそ、まさに『OBSTINATE ROCKAHOLIC』(偏ったロック中毒)。
衝撃の1stソロ・アルバムが完成!

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

HEESEY WITH DUDES-A.jpg ロックを評価するときに絶対に欠かせない、というか、その1点に尽きる大切な要素は「カッコイイ」ではないかと思う。もちろん女性の黄色い「キャー!かっこいい」も、男性の野太い「おおっー!かっけー」も両方アリだろう。あれこれと理屈をこねまわし、どんなにたくさんの形容詞を連ねようと、この一語を超える説得力を持つものはないような気がする。事実、多くの人がロックの初期衝動をこの言葉で語っているではないか。
 2001年1月8日「普通の野良犬に戻ります」と言い残して、THE YELLOW MONKEYは東京ドームのステージから去っていった。あれから約2年、R&Bやらヒップホップやらに押され気味で、日本のロック・シーンは少し活気を失っていたような気がする。それを彼らの不在のせいにしたくはないが、要因のひとつではあったかもしれない。各メンバーが次の活動への準備中という噂が聞こえてくるなか、その先陣を切ってソロ活動を開始したのはベースのHEESEYだった。彼が2月5日に発売されたマキシ・シングル『NAMELESS LOVER』に続き、いよいよアルバムをリリースする。
 HEESEYはバンドの活動休止以降、自身にロックの初期衝動を与えたバンドのひとつ、KISSのライヴを海外まで見に行ったり、古着屋を巡ったりと、気ままに"ロック兄ちゃん"な時間を満喫したよう。そして、そうした時間を過ごしたことで改めて彼本来の音楽指向と向き合うことが出来たのだと思う。1曲の詞を除き、すべての作詞・作曲をHEESEY自身が手がけた今作には、彼のルーツが大胆にさらけ出されている。ゴリゴリのハードロック・ナンバーはもちろん、グラマラスな香り漂うグルーヴィー・チューンから、ノリノリ&ご機嫌なロックンロール・ナンバーまで、好き勝手にやりたい放題。バンド内では兄貴的な存在でありながら、どこかやんちゃな人というイメージが彼にはあったのだが、今作のHEESEYはまさにやんちゃなロック少年の様相を呈している。そして、そんなふうに自分のロックにこだわり、とことん追求するために、彼は活動にあたってパーマネントなバンドを結成するのではなく、ソロ・ユニット形式を取った。DUDES(洒落た野郎共の意)の方はその都度必要なメンバーを加えることになるそうだが、今回のレコーディングにあたっては彼の友人であるマッド大内と小野寺智が参加。音楽を通した旧知の間柄ということもあってか、演奏の息もピッタリである。それぞれの出す音が絡み、欲情と扇情がせめぎ合うようなビートやグルーヴへ変わっていく様子は鳥肌モノだ。そしてそんなメンツで制作されたサウンドは、彼らと同年代のロック好きには共有出来る部分が多いはずで、例えば「DUDE」と聞いてエアロスミスのナンバーを思い浮かべる、なんていう人はぜひとも一聴すべきアルバムだろう。
 また、ベーシストとして揺るぎない個性を放っていた彼だが、今作ではヴォーカリストとして堂々とした歌いっぷりを披露している。ややハスキーな声質も功を奏しているし、セクシーな歌詞に負けないぐらい艶っぽいフレージングにも、ロックに必須のいかがわしい色気がムンムンと漂っている。そうかと思えば「ならず者アイムソーリー」のようなミディアム・ナンバーで聴かせるまっすぐな歌声には彼のピュアな一面も見られ、そのギャップに婦女子は腰砕けになることうけあいである。もちろんゴリゴリとエッジの立ったあのベース・ラインも健在。4月にはライヴも予定されているので、ぜひそんな彼の勇姿をナマで見てほしい。
 さて、今作に対する最も重要な感想を書く時が来た。一言「カッコイイ!」と最大級の賛辞を贈らせて頂くとともに、彼にはこれからもずっと『OBSTINATE ROCKAHOLIC』(偏ったロック中毒)を貫いてほしいなと思った次第である。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『OBSTINATE ROCKAHOLIC』
HEESAY-J.jpg




CD
BMGファンハウス
BVCR-11049
¥2,913(税抜)
3月5日発売

THE YELLOW MONKEYのベーシスト、HEESEYの1stソロ・アルバム。先行発売されたシングル「NAMELESS LOVER」を含む全13曲。1曲の詞を除き、すべての詞・曲をHEESEYが手がけ、自身の音楽的ルーツをさらけ出した、豪快かつ痛快なロック・アルバムの登場だ。初回生産分のみ、シングル・アルバム同時購入特典応募シート封入。

【広瀬 "HEESEY" 洋一 OFFICIAL WEB SITE】http://www.heesey.com/

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