ポルノグラフィティ

ARTIST PICK UP

ポルノグラフィティ

これはもう、絶対に聴いた方がいい。
「濃密」で「進化」した、「衝撃的」な傑作なのだから。
本作でポルノグラフィティは、またしても新しいステージの扉を開いてしまった…!

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

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 デビュー4年目を迎えたポルノグラフィティが、ヒット・チャートの常連として手堅いポジションを確立しているのは紛れもない事実。しかし彼らには、手垢にまみれたヒットの法則とか、売れると有無を言わさずしょい込まされるステレオタイプ的なイメージ等はまったく見られない。それどころか彼らの音は、歌詞も含め、デビューから一貫して「他のアーティストとはひと味もふた味も違う」と驚かされるものばかり。きっと、バンドとしての進化の度合いがものすごく速いのだろう。こう、作品をリリースするごとに新境地を開いていく、というか。彼らが独特の存在感を放っていられるのは、だからなのだと思う。
 通算4枚目のアルバムとなる本作『WORLDILLIA』(ワールディリア)を紐解いてみよう。収録曲は全14曲。イントロを聴いただけで誰もがそれとわかる大ヒット・チューン「Mugen」、テレ朝系ドラマ「スカイハイ」のオープニング・テーマとしてオンエアされている先行シングル「渦」に加え、各々のカップリングから2曲をセレクト。その他新曲10曲を含むヴォリュームたっぷりのラインナップとなっている。
 本作を語る上でキーとなる言葉、それはズバリ「濃密」「進化」「衝撃的」の3つ。まず「濃密」とは、サウンドワークの素晴らしさとその抽出の多さを指す。とにかく音のすべてが斬新で高クオリティー、しかもさまざまなジャンルのテイストが存分に編み込まれているのである。たとえば、アグレッシヴなホーン・セクションとグルーヴィーなTamaのベースが炸裂するオープニング曲「CLUB UNDERWORLD」はジャズ・ファンクのエッセンスを、2曲目「惑星キミ」はエレクトロ・サウンドを前面に出したデジタルな世界を、またギターの旋律が切なく響くスロー・ナンバー「デッサン#3」は初期のビートルズを思わせるファジーで素朴な雰囲気を、それぞれ色濃く漂わせている。ひとつひとつの曲の個性がヴァラエティー豊かであるということは、曲の輪郭をはっきりと際立たせるだけでなく、アルバム全体の濃度をも高める作用がある。本作が、中弛みなんて感じる暇もないほど聴く者を虜にしてしまう一番の要因は、コレだ。
 次に「進化」。すでに昭仁のヴォーカルには定評があるが、本作では更に磨きがかかり、より表現力を高めた感がある。また、晴一と昭仁によってそれぞれ描き出される歌詞の世界も、その奥行きをよりいっそう深めたような気がする。厭世めいたものを独特の大きな視点でとらえ、シニカルかつユニークな世界へと昇華させていく晴一の歌詞。誰しも経験のある感覚を身近な構図で切り取っていく昭仁の歌詞。本作におけるその作品性は、どちらも、これまでのものを遥かに超えるレベルに位置しているのである。
 そうした彼らの「進化」を目の当たりにしたが故にもたらされるもの、それが最後の「衝撃的」というキーワードだ。これを最も象徴している曲が「カルマの坂」。少年を主人公に据えたその歌詞は、限りなく哀しく、そしてやりきれない。しかしそこには、人間の尊厳のようなものへの示唆が確かに存在していて、だからこそ聴く者に衝撃的な感動を与えてやまないのだ。
 とにかく本作は、絶対に聴いた方がいい。「濃密」で「進化」した、「衝撃的」な傑作なのだから。そう、本作で彼らは、またしても新しいステージの扉を開いてしまったのである。

Text by 秋野 櫻

『WORLDILLIA』
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CD
SME Records
SRCL-5499
2月26日発売
¥2,913(税抜)

デビュー4年目を迎えたポルノグラフィティの4thアルバム。大ヒット・チューン「Mugen」、先行シングル曲「渦」を含む全14曲を収録。常に進化し続ける彼らの全てが込められた渾身の力作だ。絶対に聴くべし!なお初回盤のみ限定仕様(応募券封入)なので、お求めはお早めに。

【ポルノグラフィティ Official Site】http://www.pornograffitti.jp/

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