松たか子

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松たか子

久々の月9ドラマで元気な姿を見せてくれている
松たか子のニュー・アルバムが到着。
瑞々しく繊細な彼女の声で綴られる、12編の短編ドラマをご鑑賞してください!

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

松たか子-A.jpg 最近の松たか子さんの活躍ぶりはスゴいですね。舞台、ドラマ、CM、そして音楽と、いつもフル回転でたぶん忙しさはハンパじゃないと思うのですが、無理している感じが全然なくて、それでいて全てがクオリティの高い作品に仕上がっているのはホント驚きです。そのどの作品からも感じられるナチュラルで繊細な感性は、先日届いた久々のフル・アルバム『home grown』でももちろん十分息づいています。
 女優が詞を書いて曲も書いて歌も歌うということは、舞台やドラマで様々な役を演じることと同じように、表現という枠の中で楽にこなせてしまうものなのでしょうか。おそらくそんなことはなく、生み出す苦しみや音楽だからこその難しさというハードルを乗り越えてこのアルバムも出来上がったと思うのですが、そういったものを一切感じさせないところが松さんの凄さ。まさに普段着の12曲。自然に心にす〜っと入ってきます。
 全12曲中、松さん本人の作詞が7曲、作曲も5曲!詞はもちろん、自作曲がまたいい曲なんです。そんな瑞々しいメロディをカラフルに染め上げるのは、前回のツアーでバンマスも務めた、本作のプロデューサー佐橋佳幸氏。例えば「Clover」では70'sウェストコースト風、「明日にくちづけを」ではナイアガラ風といったように、目まぐるしいアレンジ七変化はさすが。他にも川村結花作詞・作曲のファンキー・キャンディ・ポップ「バニラアイス」や、童謡っぽいほのぼのとしたピアノの伴奏がノスタルジックな「日曜は何処に行った?」など、とにかくヴァラエティに富んだアルバムです。
 音楽通の方には松本隆作詞、堀込泰行作曲の「愛が私に教えてくれたこと」をお薦めします。クリス・レア+スティーリー・ダン風AORなサウンドに乗せて、大滝詠一「雨のウェンズデイ」的夏の別れの1コマが描かれた極上のサマー・ソング。その中に出てくる"もう助手席で甘えてるだけの女の子じゃないし"という詞に、クールな魅力も秘めている松さんの姿がダブってみえてグッときてしまいます。これぞ松本隆マジック!

Text by 高瀬康一(編集部)

『home grown』
松たか子-J.jpg



CD
ユニバーサル J
UPCH-9050
発売中
¥2,913(税抜)

「花のように」「Clover」「明日にくちづけ」のヒット・シングルを収録した、約1年8ヶ月ぶりのオリジナル・アルバムで、ソングライターとしての成長が感じられる1枚。初回限定盤はCD-EXTRA(「花のように」PV他貴重な映像を収録)仕様+特殊パッケージ。先着特典はB2ポスター。

【松たか子 公式サイト】http://www.matsutakako.jp/

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