SOULHEAD

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SOULHEAD

セルフ・プロデュースによる待望の1stアルバムが遂に完成!
先行シングル「空」を含むミラクルな全16曲。最強姉妹による圧倒的なヴォーカル&ハーモニー、
そしてラップスキルが巷の付け焼刃的HIP HOPを蹴散らす!

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

SOULHEAD-A.jpg 生まれて初めて聴いた音楽がHIP HOP…そんな若いコ達ってもはや珍しくないんだろうな、と思う。私は70年代前半の生まれなので生粋のザ・ベストテン世代。中学生時代にはMTVやポッパーズMTVやベストヒットUSAに夢中になっていたけれど、そのヒット・チャートにはまだHIP HOPは出現していなかったし、チャートを賑わす黒人といえばマイケル・ジャクソン(まだ黒人だった)くらい。その数年後、RUN D.M.Cの「WALK THIS WAY」でやっとHIP HOPという存在を認識することになるのだけれど。…それから10余年。HIP HOP/R&Bはこの日本でも完全なる商業ベースに乗った。それこそ音楽シーンそのものがHIP HOP/R&Bを中心に廻っている。シーン黎明期から変わらず活動を続けているアーティストがいる一方で、HIP HOPと歌謡曲はジワジワと接近。それに危機感を感じつつも、「遂にここまできたか!」と、感慨に耽るコトもしばしば。例え"ブーム"が過ぎ去っても、一ジャンルとして確実に根を下ろした。80年前後の生まれの人達は、ひとつ上の世代とは明らかに違い、意識しなくともHIP HOPやR&Bを肌で感じながら10代を過ごしてきたはずだ。そう、グルーヴ感やリズム感が自然と体内に染み付いているのだ。嫉妬にも似た感情でそんな風に思う。SOULHEADは78年と81年生まれの姉妹。彼女達の曲を聴き改めて痛感。あの驚嘆すべきグルーヴ感は、生まれた時からHIP HOP/R&Bを体に取り込んできたからこそ出せるモノなんじゃないか?しかもそれを奇をてらわずにサラリとやってのける日本人離れした感覚。飽和状態にある日本のHIP HOP/R&Bシーンをリセットできるのは、彼女達のような"正統派"であると思う。
 昨年夏のデビューから約半年、1stアルバムが遂に完成した。全楽曲がSOULHEAD自らのプロデュースによる力作だ。恋の別れを明るく歌ったメロディアスなデビュー・シングル「STEP TO THE NEW WORLD」、情感豊かなハーモニー・ワークが印象的な2ndシングル「LOVER, KNIGHT, MAN」、そして本作の先行シングルであり、彼女達にとって初の試みである日本語のリリックに重心を置いた「空」までの3枚のシングルを網羅。他に、ヴォーカリストとして、またコンポーザーとしてその実力を発揮しきったスケール感のあるバラード「SECRET LOVE」や「SONG FOR YOU」、タイトなラップスキルをみせるダンサブルな「WOO!」、HIP HOPの枠を超え、ギターを大胆にフィーチャーした「MOON SHINE」、そして、姉から妹へ、妹から姉へ、お互いの想いを綴った「OH MY SISTER」等、圧倒的なヴォーカル&ハーモニー、ラップスキルが展開する全16曲。じっくりと聴かせるミディアム・グルーヴからヘヴィーなアップ・チューンまで、現時点での彼女達のすべてが詰め込まれた贅沢な1枚だ。また、数多くのHIP HOP作品を手掛けている日本を代表するエンジニア、D.O.I.氏が全楽曲のミックスダウンを担当。この力作に更なるパワーと息吹を与えている。
 2003年の今、日本のHIP HOP/R&Bシーンに投げかけられたこの1枚のアルバムの持つ意味は大きい。巷に溢れる付け焼刃的HIP HOPを尻目に、SOULHEADは堂々と"正道"を歩んでいくはずだ。

Text by 池 佐和子

『OH MY SISTER』
Soulhead-J.jpg




CD
Sony Music Associated Records
AICL-1410
3月5日発売
¥2,400(税抜)

スシングル「空」「LOVER, KNIGHT, MAN」「STEP TO THE NEW WORLD」を含む、セルフ・プロデュースによる待望の1stアルバム。圧倒的なヴォーカル&ハーモニー、そしてラップスキルを堪能できる全16曲。HIP HOP MIXエンジニアの第一人者、D.O.I.氏が全楽曲のミックスダウンを担当。

【SOULHEAD OFFICIAL WEBSITE】http://www.soulhead.info/

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