akiko

ARTIST PICK UP

akiko

パリ、ロンドン、そしてニューヨークへ。
伝説のジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイの愛唱曲として知られる
スタンダードに新たな息吹を吹き込んだakiko。待望の3rdアルバム。

(初出『Groovin'』2003年2月25日号)

 2001年のデビューから常に大きな注目を集めてきたakiko。1stアルバム『ガール・トーク』は、スイングジャーナル誌のジャズ・ディスク大賞(ニュー・スター賞)を受賞。また、昨年発表した『ヒップ・ポップ・バップ』では、前作とは全く違ったPOPなアプローチでその才能の多彩さを十分に証明した。
 さて、サード・アルバムとなる今作は、満を持してのニューヨーク録音。全編に渡ってakikoにとって最大のアイドルである、伝説のジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイの愛唱曲として知られるジャズ・スタンダードをピック・アップし、十分に"akikoワールド"を楽しめる内容となっている。何より彼女の魅力は、単に歌が上手いというのではなく、抜群のリズム感と溢れ出るジャズ・フィーリングであっという間に唯一無二の"akikoワールド"を作り出せる能力にあると思うのだ。今作ではその能力でもって有名なスタンダードに新たな息吹を見事に吹き込んでいる。
 今作のプロデュースは、R&B/Hip Hop界の有名アーティストからも注目を集めるサックス奏者、ジャック・シュワルツバルトと米ヴァーヴのジェイソン・オレインによる強力タッグが担当。ジャック・シュワルツバルトは現在ロイ・ハーグローブのバンドに在籍し、ジャズ以外でもエリカ・バドゥ、ミシェル・ンデゲオチェロ、ディアンジェロらのレコーディングやライヴに参加。ジェイソン・オレインの方はジョン・スコフィールドやロイ・ハーグローブ、ディレクションズ・イン・ミュージックなど、近年のヴァーヴ新録作品の大部分を手掛けている。
 ジャズに限った事ではないが、上手く歌が歌えたり、楽器が上手く弾ける事はさほど重要ではない(かなり語弊がありそうですが…)。大事なのは、聴く側に強烈なメッセージを伝える事ができる能力があるかどうかという事であり、歌や楽器はあくまで手段の1つに過ぎないのである。一瞬声や音を聴いただけでその人とわかるぐらいの強い個性と独自の世界を持っていることが、聴く側の心に届く近道となるではないか?そんな風に感じるアーティストはそう多くはないが、akikoはそのうちの1人である事は間違いない。彼女の作品を聴く度にそう感じる。

Text by 堀尾康弘(東越谷店)

『akiko's holiday』
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CD
ユニバーサル・ジャズ
UCCJ-2022
2月26日発売
¥2,857(税抜)

3rdアルバムとなる今作は、満を持してのニューヨーク録音。全編に渡ってakikoにとっての最大のアイドル、ビリー ・ホリデイの愛唱曲として知られるスタンダードをピック・アップ。デビュー作『ガール・トーク』以来、着実に進化し続ける彼女の魅力がぎっしり詰まった作品。フォトギャラリーを収録したエンハンストCD仕様。

【akiko official web site】http://www.nwp.co.jp/akiko/main.html

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