the youth

何事にも動じないほど力強い音のぶつかり合い。
the youthサウンド…それはまさに青春の音そのものだ。

　「青春時代の真ん中は 道に迷っているばかり」…もう27年も前に発売された、あまりに有名な曲の一節。昨年10月に発売されたthe youthのデビュー・シングル『青春時代』のタイトルを耳にした時、とっさにこの歌詞が浮かんだ。かつての青年が歌った『青春時代』。それから長い長い時間が経ち、いろんなことが変わってしまった今日ではあるが、「青春時代＝かけがえない時間」という事実は、今も昔も変わっていない。現代の青年（＝the youth）もまた、自分や、周りや、時間の流れについて悩み、未来に不安を抱き、過去を振り返り、今を生きる事を音楽で表現しようとしている。
　音と音とのぶつかり合いが、新たな音を生み出す。ヴォーカルも、ギターも、ベースも、ドラムも、全員が自分の100％を出しているように響いてくる。そんなthe youthサウンドを聴いていると、自然に耳に力が入る。もしかしたら、これが「青春」の音なのかもしれない。
　最新作「言葉にできない」もまた、疾走感に溢れた爽快な曲だ。歯切れの良いサウンドと、まっすぐな歌詞。聴いていて羨ましく思えてくるほど、そこには若さが溢れている。「今」をリアルに表現する彼らの音にぜひ触れてみてほしい。

Text by 二宮万里（編集部）