bebe

ARTIST PICK UP

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ボーダレス&エイジレスな魅力を持つbebe(ベベ)が
名門レーベル、EMARCYよりデビュー。
その歌声の中には、日本人女性独特の美しさがある。

(初出『Groovin'』2003年4月25日号)

bebe-A.jpg 撮影はあの篠山紀信氏が手がけたというこのジャケットを見て、あなたはどんな音楽を思い浮かべるだろう?恐らく店頭ではJAZZコーナーに並べられる事になるだろうが、JAZZというジャンルだけではとても収まりきらない"何か"が、このbebeにはある。
 ちなみにbebe(ベベ)とは仏語で「baby」のこと。幼少より音楽に親しみ、高校では音楽科へ入学、クラシック音楽を学ぶ。この頃に歌う事に目覚め、大学は日大芸術学部へ。在学中にブラジリアン・ミュージックに傾倒し、野崎良太氏率いるJazztronikに結成当初よりヴォーカリストとして参加する。2000年6月にソロ・アルバム、2002年1月にはミニ・アルバム『PERDITA』をリリース。同年、映画音楽や数多くのアーティストのストリングス・アレンジを手掛けるなど、幅広く活動している村山達哉氏をサウンド・プロデューサーに迎え、新たなbebeの世界がスタートした。そして遂にユニバーサル ジャズの名門レーベル、EMARCYよりメジャー・デビューとなったわけだが、EMARCYといえば天才トランペット奏者クリフォード・ブラウンをはじめ、ヘレン・メリル、サラ・ヴォーン等、女性シンガーにも定評のある名門。日本人女性シンガーとしては勿論これが初のリリースとなる。
 今作は全編に渡って、ゆったりとした美しいストリングスの合間を優雅に飛び回る彼女のヴォーカルが何とも心地よく、聴く側の心にストレートに入ってくる。ベースはアコースティックのピアノ・トリオだが、このストリングスに絶妙に絡むしっとりとした艶のあるヴォーカル、そこにヴィブラフォンなんかが良い具合に入ってきたりして、どこか懐かしささえ感じてしまう音作りは妙に前述のジャケットとマッチする。ハートフルでノスタルジックという言葉がぴったりくる作品だ。収録曲をみるとオリジナルに加え、バート・バカラック、ショパン、ヘンリー・マンシーニ等の名曲をカヴァーしているが、中でもカーペンターズで有名な「I feel free(Close to You)」はbebeのリラックスした伸びのあるヴォーカルが際立った素晴らしいものに仕上がっている。
 音は勿論のこと、ジャケットやブックレットなど、bebeの魅力がいっぱい詰まったこのアルバムが、あなたを今までに経験した事のない不思議な世界へと導いてくれるだろう。

Text by 堀尾康弘(東越谷店)

『bebe』
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CD
ユニバーサル ジャズ
UCCJ-2024
発売中
¥2,857(税抜)

古き良きジャズ・シンガーが持っていた香りを備えた、bebeのデビュー・アルバム!アコースティックのピアノ・トリオをベースに、全編に渡ってゴージャスなストリングスを配し、そこに絡むbebeのヴォーカルが実に心地よい作品。歌詞は全て日本語で、本人による書き下ろし。

【bebe official website】http://www.bebe-b.com/

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