マドンナ

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マドンナ

マドンナが、語りはじめた。 自分自身を、そして彼女にしか歌えない、"アメリカ"を。
超先鋭と革新のビート&サウンド、高い文学性を持った歌詞が見事に融合、
音楽さえも超越した、至高のモダン・アート。

(初出『Groovin'』2003年4月25日号)

マドンナ-A.jpg 今年3月に日本でも公開され、大ヒットを記録している映画、"007シリーズ"最新作「ダイ・アナザー・デイ」の主題歌「ダイ・アナザー・デイ」が、映画共々昨年末から世界的ヒットを記録しているマドンナ。彼女の、3年ぶりとなる待望のニュー・アルバム『アメリカン・ライフ』が遂に登場した。そしてこの新作は、オリジナルとしては通算10枚目となる、記念碑的な作品でもある。
振り返ってみると、これまで発売された9枚のオリジナル作品や数々のサントラなどにおいて、マドンナの扱ってきた題材の数は非常に多い。それぞれの作品には、一貫したテーマが設けられていた。例えば、極めてパーソナルな愛(『トゥルー・ブルー』『ライク・ア・プレイヤー』)、圧倒的なポップ(『ライク・ア・ヴァージン』『MUSIC』)、万人受けするロマンス(『ベッドタイム・ストーリーズ』『エビータ』)、家族(『ライク・ア・プレイヤー』)、極めて音楽と連動した映画作品(『アイム・ブレスレス』)、人間の本質としてのエロス(『エロティカ』)、自分自身の半生(『レイ・オブ・ライト』『MUSIC』)等、様々なコンセプトの元、彼女は作品を創ってきた。時に客観的に、時に主観的に、マドンナはそれぞれの主人公を演じてきたのである。 そして、遂に今作『アメリカン・ライフ』において彼女は、愛してやまない、そして時には自らの対立概念でもあった"母国アメリカ"を、初めて"語りはじめた"のである。タイトル曲「アメリカン・ライフ」は、そういった意味で、正に象徴的な楽曲である。自らの半生を内省するかのような内容の、深いマドンナの言葉がひたすら続くが、その自分自身への内省/問いかけは、イコール、母国:アメリカへの問いかけでもあるのだろう。そして、その言葉を彩るミルウェイズとのコラボレーションによるサウンドが、更に聴くものの心を揺らさずにはいられない。
アルバムのジャケット・アートワークは、あの有名なキューバ革命の闘士、"チェ・ゲバラ"のポートレートを思い浮かべさせるような、力強く美しいデザイン。アートワーク上のマドンナ/女性について考察するとすれば、1800年代の、アメリカ開拓時代の女性のイメージと思われる。フード付きの、上品かつクラシックな雰囲気の衣装を服を身にまとい、背景には、まだアメリカに州が少なかった頃の、星印の少ない星条旗が。このジャケットもまた、非常に広い範囲の解釈を可能にさせるクォリティを持っている。ちなみにこのジャケット写真の撮影は、ヨーロッパをベースに活躍する超一流フォトグラファー:クレイグ・マクディーン、そしてグラフィック・デザインは、フランスのデザイナー、チームM/M("エムエム"と読む)が担当している。アルバム・ジャケットから、シングルを始めとする各収録曲まで、正にマドンナの最高傑作と言える仕上がりである。

『アメリカン・ライフ』
マドンナ-J.jpg




CD
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCR-11540
4月28日発売
¥2,400(税抜)

全世界20カ国以上でNO.1を獲得したメガ・ヒット・アルバム『MUSIC』以来、3年ぶり、そして記念すべき10作目のオリジナル・ニュー・アルバム、遂に登場!もはや音楽というカテゴリーではくくりきれないスケールの、最高傑作アルバム完成。

【マドンナ 日本オフィシャルサイト】http://www.wmg.jp/artist/madonna/

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