ようこそ夢街名曲堂へ！

ドリームズヴィル・レコード初の全曲J-POPSコンピが登場！黒沢秀樹の書き下ろし楽曲から、instant cytron、青山陽一、bice、クリンゴン、真城めぐみ＆中森泰弘（from ヒックスヴィル）、ラリーパパ＆カーネギーママ、そしてセンチメンタル・シティ・ロマンスまで…洋邦の名曲カヴァーを中心とした贅沢なコンピレーション。

（初出『Groovin'』2003年4月25日）

　さて先月の「the road to Dreamsville」でいち早くお知らせしました、コンピレーション盤『ようこそ夢街名曲堂へ！』が遂にリリースされましたので、このページでは改めてこのCDについてご紹介します。
　この『ようこそ夢街名曲堂へ！』は、現在K-MIX（静岡FM）などで放送中の音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ！」とリンクしてリリースされたもので、ドリームズヴィル・レーベルとしては初の全曲J-POPSアーティストによる作品。ドリームズヴィルと言えば、今まで発表してきた作品の大半は洋楽、それも未CD化だった名盤や発掘音源、あるいはベテラン・アーティストの新作といった印象をお持ちの方が多いと思いますが、ここ数年はinstant cytronやラリーパパ＆カーネギーママの新譜などJ-POPSの作品も発表しており、その流れで完成したコンピとも言えます。しかし、ただの編集盤ではありません。洋楽テイストを大事にしながら、音楽の魔法と楽しさを目一杯味わっていただける様な、そんな選曲とラインナップになっています。
　さて内容はと申しますと、1曲目の黒沢秀樹の書き下ろし楽曲「Welcome To Dreamsville」…これは前出の番組「ようこそ夢街名曲堂へ！」のテーマとして制作されたナンバーで、黒沢秀樹らしさとポップ・ミュージックへの愛情の深さが伝わる好楽曲！リトル・ギャング（真城めぐみ＆片岡知子）も参加し、彩りを添えています。それから来日も話題のオリビア・ニュートン・ジョン/ELOのナンバーである、biceの「Xanadu」や、安田しん二＆吉岡よすおによるシカゴの「クエスチョンズ 67＆68」（安田しん二は作曲家としても、SMAPの「朝日を見に行こうよ」や森高千里の「道」などで有名）、京 崇子によるミレニウムのカヴァー「It's You」（これはミレニウムのジョーイ・ステックがプロデュース）、まもなくアルバム『トカイノトナカイ』をリリースするruralの「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love & Understanding」（ブリンズレー・シュウォーツ／エルヴィス・コステロのナンバー）、といった本作ならではのカヴァーも聴きどころ。さらにラリーパパ＆カーネギーママによる昨年渋谷BYGでのみ披露された「大寒町」（あがた森魚やはちみつぱいでお馴染み）や、昨年の「ようこそ夢街名曲堂へ！」公録から青山陽一の「The Joker」（スティーヴ・ミラー・バンドのカヴァー／真城めぐみ＆中森泰弘+黒沢秀樹参加）、ヒックスヴィルの真城めぐみ＆中森泰弘による「Close To You」（カーペンターズのカヴァー／青山陽一参加）、2000年12月ドリームズヴィル感謝祭のステージでの、センチメンタル・シティ・ロマンス with ジェフリー・フォスケットによる「So You Want To Be A Rock'n'Roll Star」（バーズのカヴァー）といったレアなライヴ音源も取り混ぜております。
　本作の最大の特徴は、参加したアーティストそれぞれの音楽に対する愛情が溢れていることは勿論ですが、レーベルとしての今までの活動から広まった音楽の輪や、音楽へ対峙する姿勢・態度、そんなものも、1枚の中に凝縮されていると思います。初CD化（製品化）音源も満載し、音楽をこよなく愛するドリームズヴィルらしい仲間が集まって完成した本作。どうぞ、あなたのお部屋でじっくり味わってみて下さい。きっと素敵な時間と空気を楽しめるはずですよ。

Text by 土橋一夫（編集部）