東田トモヒロ

ニュー・タイプなシンガー・ソングライター登場!!
ジョン・レノンのハートを持ち、
ヒップホップの方法論で武装したロック・サウンドが胸に響く!!

BRAND NEW ARTIST 東田トモヒロ

 極端な話、もしこの21世紀の現代にジョン・レノンが生きていたら、きっとこういうサウンドを作っていたのかな…なんて、東田トモヒロのアルバム『cycle』を聴いてふと思った。"ジョン・レノンのハートを持ち、ヒップホップの方法論で胸に響くロック・サウンド"とはよく言ったものだ。雑多なまでにあらゆる音楽を飲み込んだ柔軟さは、リスペクトの気持ちを素直に表現している。しかし、それが単なるリスペクトで終わらず、独自の言葉と毒づき気味の歌詞、独特な声の魅力、秀逸なメロディが一体となり、唯一無二のオリジナリティを醸し出している。
 本作『cycle』について話す前に、彼のこれまでの活動について少し振り返ってみたい。熊本在住の30歳。プロデュース、アレンジからギター、ベース、ドラム、打ち込みとオールマイティにこなすシンガー・ソングライター。2001年7月にインディーズでアルバム『neutral』をリリース。ラジオのメインDJとしても活躍。そして今年4月、本作のリード・シングルとなる『I WISH』でメジャー・デビューを果たした。
 さて本作だが、同年代であるアンダー・サーティな僕は、サウンド的にすごく共感できた。なぜなら、この年代はロック・センセーションをリアルタイムで体験した世代でもなく、かといってヒップホップが当たり前にあった世代でもない。ビートルズに憧れるもそれはテレビの中だけのものであり、ある種ヒップホップと共に成長してきた世代。そして、それらの狭間で構築されていくマージナルな感覚。故に、ヒップホップ的手法によるロックのアプローチはごく自然なことなのかもしれない。収録曲は様々なテイストにより一見バラバラな方向性のようでいて、実は"東田トモヒロ"というブランドによって統一されている。それこそロックとヒップホップ(ソウル含む)を足して2で割ってリスペクトを掛けたサウンドであるに他ならない。このミクスチャー感覚は、きっと同年代には共感できる人が多いだろう。もちろん、どんな世代でも満足いく内容でもある。彼こそ新しいタイプのシンガー・ソングライターであることは確かだ。ぜひ、あなたの耳で彼のサウンドを確かめて欲しい。

Text by 常盤安信(横須賀佐原店)

『cycle』
東田トモヒロ-J.jpg




CD
東芝EMI
TOCT-25004
5月28日発売
¥2,913(税抜)

今年4月にリリースしたシングル『I WISH』が音楽通の間で話題になり、各方面で絶賛を浴びた"遅れてきたルーキー"のメジャー初のアルバム。ヒップホップの方法論によるアレンジの根底に流れるのはジョンのハート。リスペクトを大事にしたマニアックにはならないポップさは、ニュー・タイプのSSWならでは。

【東田トモヒロ official website】http://www.higashidatomohiro.jp/

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