CHEMISTRY

ARTIST PICK UP

CHEMISTRY

オリジナル・アルバムに収まりきれなかった音楽性が飛び出したら、
それはまさに「CHEMISTRY(化学反応)」。
世界初 " 聴かせるremix&切ないカヴァー曲 "に未発表曲までプラスしたNEW TYPEなアルバム。

(初出『Groovin'』2003年6月25日号)

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 『Between the Lines』…「アルバム・タイトルは直訳すれば「行間」の意。オリジナル・アルバムという「本文」に収まりきれない音楽性を持った「行間」たち。それは即ち、『Second To None』と、来るべき3rdオリジナル・アルバムの間に位置する作品集、をも意味する。」(プロデューサー松尾"KC"潔 -本作ライナーノーツより-)
 この作品を最後にケミストリーのトータル・プロデュースから離れる松尾"KC"潔氏は、この素晴らしいアルバムに、敢えて「オリジナル・アルバム」の冠を付けなかった。確かに収録曲の半数以上がremixの色付けをされているが、その完成度は高く「remixはオリジナルを超えない」と思っている人間の固定概念をねじ曲げるくらいの作品に仕上がっている。そして、かねてから話題となっていた、"2003年「しぜんに。しぜんに。爽健美茶」のキャンペーン・ソング"「Naturally Ours」、大滝詠一氏のカヴァー曲「恋するカレン」(WOWOW TV-CMソング)、DAIHATSU MOVE CMソング「MOVE ON(Album Version)」、さらには、日本人の誰もが少年少女時代に口ずさんだであろうCMソング「明治チェルシーの唄」までもが収録されていた。これ程の内容ならば充分「3rdアルバム」としての価値がありそうなのに…。
 彼らの歌う歌はまさに「CHEMISTRY(化学反応)」だ。歌声や2人のハーモニーはなぜこんなにも多くの人を魅了するのだろうか?今作品において、私は2人の歌声の中にある"懐かしさや切ない心"を自分なりに再発見できた。年寄りじみた言葉で恐縮だが「歌は心」である。様々なジャンルの音楽が世の中に転がっているのだが、「心」の伴った作品にはなかなか出会えないものである。また、歌う側、作る側がどんなに「心」を込めたつもりでも、なかなか多くの人には伝わらず、届かない。これが現在の音楽シーンの低迷を招いている事実でもある。
 ここでひとりのミュージシャンの、ケミストリーへのコメントを紹介させていただく。「カバーとは同業者による同業者への評価という一面もあります。ケミストリーの諸君がこの曲を取り上げてくれるとは夢にも思っておりませんでした。テレビから流れてきた時に、自分の作品であることを忘れて聞き入ってしまいましたが、これは彼らのサウンドに消化しきっていたということを意味します。再びこの曲にスポットライトを浴びせてくれたことに感謝致します。」そう、「恋するカレン」のオリジネイターであり、多くのミュージシャン達が尊敬してやまない大滝詠一氏までもが、2人の歌に心を動かしたのである。
 冒頭にて述べた"オリジナルの冠を持たぬアルバム"『Between the Lines』は、今後セルフ・プロデュース型のアーティストへと化学変化をはじめるであろうケミストリーへ贈られた、松尾"KC"潔氏からの高いハードルであり、音色を変えた「My Gift to You」だったのかもしれない。

Text by 押尾武史(富士中央店)

『Between the Lines』
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CD
DefSTAR RECORDS
DFCL-1101
発売中
¥2,913(税抜)

TV-CMで話題の曲あり!豪華ゲスト、DJ、ミキサー陣参加あり!新remix曲に加え、アルバムに初めて収録される人気楽曲やこれまでのremix曲をも収めたサマー・プレミアム・アルバム!!初回限定!スリーブ付きパッケージ仕様。(8/6ニュー・シングル発売決定!)

【CHEMISTRY Official Web Site】http://www.chemistryclub.net/

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