sads

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媚びることなく、やりたい音楽をこよなく追求し続ける孤高のバンドsads、
初のベスト・アルバムが登場。全シングル+αで構成された全15曲は、
彼等のここまでの軌跡を1枚で振り返れる好盤だ。

(初出『Groovin'』2003年6月25日号)

sads-A.jpg 清春が作り出す音楽というものは、常に変化と進化を求め、アルバムの度に変貌してきた。この路線で行くのか?と思わせ、その次にはまた違う姿を見せてくる、そんな彼のバンドが初のベストをリリースする。今やほとんど入手困難な「TOKYO」から「Masquerede」までの全シングルをほぼ年代順に収録+c/wとアルバム曲を追加した全15曲という、ベストとしての最強ラインナップである。ここからは収録順にsadsサウンドの変化を追っていこう。
 M-1「TOKYO」〜M-3「クライシス」…後期黒夢のパンク・ロックを残しつつも、速いだけで終わらない新たなsads流ロックンロールを追求していた時代。sadsの中ではもっともわかりやすい音作りをしていた時代。
 M-4「赤裸々」〜M-8「ストロベリー」…コンセプトという中に楽曲が成り立っているかのように、濃いアルバム『BABYLON』時代。全体の音としては「ストロベリー」に代表されるような、ずっしりとしたロックが激増。
 M-9「PORNOSTAR」〜M-11「ハニー」…Dr.に旧ツアー仲間の満園が加入して一気にへヴィ&ラウドな音に向かう。「PORNOSTAR」で初めてその音を提示した時、多くの人間が度肝を抜かれた。
 M-12「Sherry」〜M-14「楽園」…へヴィからグルーヴへ。何と言っても清春にギターというスキルが加わったことで、さらにその音の可能性が大きく広がる。ここに収録された「Sherry」はそんな弾き語り的シンプルなサウンドでメロディを重視した新境地の作品。同系列とも言える最新シングル「Masquerade」と並ぶことでこれが新たなsadsの路線か?と思わせる。
 以上、その時代時代ごとに異なる音楽性を持つsadsならではの、ベストとは思えない程、非常にヴァラエティに富んだ内容だ。通常ベスト盤というのはそのアーティストにとって区切りとなり、そこから第2期、第3期というように新たな音楽性へと進化していくものだが、彼等の場合、初のベストにして既にこれだけの路線を歩んできているのだ。その進化のスピード、音楽に対する貪欲さは右に出るものはいない。
 このアルバムの最後には、ファンにもバンドにも特別な曲「HAPPY」が収録されている。「誰も振り向かないけど きれいに咲いてられる花」…sadsはこれからもその姿勢で、その時々にやりたい音楽を追求していくだろう。貴方がそれを追っていくかどうかは、このベストを聴いてからでも遅くないだろう。

Text by 麦山幸男(木更津桜町店)

『GREATEST HITS〜BEST OF 5 YEARS〜』
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CD
ユニバーサル J
[初回限定盤]UPCH-9112 ¥3,619(税抜)
[通常盤]UPCH-1270 ¥2,913(税抜)
7月9日発売

「TOKYO」から「Masquerade」までの全シングルを含む、sads初のベスト・アルバム!孤高のカリスマ・バンドsadsの音の全てを心置きなく堪能できる1枚!初回限定盤は豪華初回スペシャル限定ボックス仕様+40Pスペシャルブックレット+ステッカー+ギターピック封入。すみや特典はポストカード(先着)。

『GREATEST HITS〜BEST OF 5 YEARS〜』
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DVD
ユニバーサル J
UPBH-1097
7月9日発売
¥4,286(税抜)

ベスト盤と同発の映像版ベスト。sadsの映像作品は音と同じくかなり凝ったものが多く、他のアーティスト・クリップではお目にかかれないような独特の作品が満載。CDだけでは飽き足らない方の為、とするには勿体ないクオリティ。是非その世界を目にして欲しい。

【sads OFFICIAL WEB SITE】http://www.sads-xxx.jp/

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